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□誰にも見せたくない
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「暑い…」
7月にも入り太陽からの強い日差しで
肌がジリジリ焼けているのがわかる。
首にハンカチを当てて汗を拭き取り、
カフェで人を待つ。
頼んだコーヒーに入っている氷が
カラン、と音を立てて溶けていく。
「あ、悠一さんだ…」
カフェから見える外の景色に目を向けると、
大きな画面に彼氏である中村悠一さんが現れる。
お仕事いっぱいで大変そうだなあ。
私は彼氏の悠一さんことをあまり知らない。
知られるのを嫌がるので、
私も詮索はしないけど
気にならない、といえば嘘になる。
しかも、今日も急に呼ばれて
このカフェにいる。
”ちはるに会いたい人らがいるから
今日の午後時間ないか?”
と、ラインが来て午後休みだったので
今日会うことになったのだが…
私に会いたいって誰なんだろうか。
兄弟とか…??
そんなことを思いながら悠一さんを待った。