my brother
□お試し期間〜陽菜side〜
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「んー、今日はいい天気だ」
朝食を食べてから、ここに来て初めてベランダに出てみた。
和くんには4人の仲間がいていいな。
そう思ったのは間違いない。
昨日の雰囲気を私を知らない。
あんなに温かくて、きらきらしているものを私は知らない。
そうだ、叔母さんに連絡しなきゃ。
「もしもし、叔母さん?陽菜です」
『あら、どうしたの。』
「これから、和くんの家に住むことになりました。」
『和が良いって言ったの?』
「はい。お試し期間とは言われましたけど」
『まぁ、それでも良かったわね。』
「はい、ありがとうございます。では。」
叔母さんへの電話を切ったら、また涙がぼろぼろ出てきた。
悲しくてじゃなくて寧ろ安堵の方。
安心も、温かさも、当たり前も
私はまだ何も知らない。