my brother
□お試し期間〜陽菜side〜
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『おはよ』
「お、おはよう。」
朝、起きると目の前にベッドから体だけ起こした和くんがいた。
『あ、やっぱ腫れてんな』
和くんが私の目をじっと見た。
そうだった、昨日の夜ずっーと泣いてたんだ。
「大丈夫。今日の夜には引くから」
『じゃなきゃ困る』
困るって、元々和くんのせいじゃないのに。
和くんは、ベッドから出てバッグにゲーム機とスマホを入れて、私を見た。
『行ってくるから、戸締まりしっかりね。』
「はーい。」
『あと、叔母さんに言っときなさいよ、これからは和くんの家に居るって』
「ほんとにいいの?」
『二度も言わせんな』
「はい。」
よし、朝ごはんでも作ろう。
実は昨日、和くんに内緒で近所のスーパーに行って、色々と食材を揃えた。そのおかげで、冷蔵庫の中は色鮮やかに変身した。
シンクには食器がない。
“朝ごはんは大事よ”
小さい時によく言われたことを思い出した。
明日からは和くんより先に起きて朝食を作ろう。
そう決意した。