my brother
□同居〜和也side〜
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「…は? 俺が同居?」
『お願い!』
「いやいやいや。無理だよ!」
これでも一応俺、アイドルだからね?
『あの子の通う高校にあんたの家が一番近いのよ。』
母親が物凄い勢いで俺をまくし立ててくる。
「何だろうと、俺は絶対嫌だ。」
高校生を相手に出来るほど、暇じゃねぇーんだよ!
仕事の忙しさはバラエティーに今の時期はライブのリハ続きで一番好きなゲームの時間をまとめて取れない程だ。
そう言い争っている時に運良く、マネージャーから“もうすぐ着きます”とメールが入った。
「んじゃ、俺行くわ。」
『とにかく、今週の日曜日は家に居てね?』
「なんで。」
『陽菜ちゃんと家に行くからよ。』
「その日も仕事。」
『それでも!』
「じゃーね。」
『ちょ!かず!』
母親から逃げるように家を出て、マネージャーの車に乗った。
『御実家は久しぶりですね。』
「でしょ。あのさ、今週の土曜日って仕事あるよね?」
『いえ、二宮さんは無かったはずですよ。』
「え。」
この時初めて俺は仕事を恨めしく思った。なんで、こういう時だけ無いんだ!
「てことはつまり、オフ?」
『ですね。』
「ウソでしょ!?」
『え、あれ?オフは嬉しくないんですか?』
いつもと違う反応をした俺にマネージャーが慌てた。
「いや、そうゆう事じゃないから、大丈夫。」