夢のお茶会

□柳の木
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「ユキメノコ」


挑戦者がニヤリと笑って
僕が"あ〜"と声を出した。
決まった。勝負はついた。
決着は着いてしまった。
ジャッキーさん・・・
どうして貴方はこんな状況で
そんな余裕かましてるんですか。
あー。しかもあられやったよ。
あられが降り始めたが
今のリザードンには
何もならないだろう。
しかも、ちょっといたい。


挑戦者は再び
かえんほうしゃを放った。
しかしユキメノコは
ピンピンしている。
"は?待って、今確かに当たった・・・"
挑戦者と僕の声が見事にハモった。
何が起きたのだろう?
挑戦者も僕もリザードンでさえも
頭がパニックになっていた。
何がどうなったの。


「ふぶき」


ジャッキーさんの声と共に
ユキメノコがふぶきをお見舞いした。
猛吹雪の中必死で審判やる僕。
リザードンには
あまり効果がないだろう。
ふぶきが晴れた時、フィールドに
目を戻すと凄まじい
光景が広がっていた。
それは氷漬けにされたリザードン。
こおり状態になったんだ。
追い討ちをかける様に
ジャッキーさんがユキメノコに
技を出す様に指示して
リザードンにブチ当てる。

やがてリザードンを倒して
お互い残り一体となる。
挑戦者が最後に出して来た
ポケモンは相性最悪のナッシー。
ジャッキーさんはナッシーが
出て来た瞬間目の色を変えた。


「ユキメノコ、シャドーボール」


容赦のないシャドーボールが
ナッシーを襲った。
やがてナッシーが戦闘不能になり
ジャッキーさんが勝利した。

が事件は起こった。


終点に着いて降りようとした時
挑戦者が僕に近づいて来た。



「オイてめぇ!!同じてつどういんだからアイツに加担したろ?」


「・・・・・は・・・い?」


「イカサマしたのに見て見ぬフリしたな?」


「え、えぇぇ!?し、してませんよ!というより、ジャッキーさんがイカサマなんて」


「俺は見たんだよ!イカサマだ!」


あー。勝てなかったから
イライラしてんだろなー。
よく居るんだよ。
取りあえず僕は挑戦者を
刺激しない様に宥める。
まぁ、でも負けは負けですから。
この僕の一言が挑戦者を
さらに逆上させてしまい
トレイン内が一触即発状態になった。
あぁ、火に油だ。

気付いた時、既に遅し。
挑戦者がもの凄い悪人ヅラで
こっちを見ていた。
あぁ、困ります。
半ベソかきながら
挑戦者を見ていると
肩をぐいっと掴まれ
引き寄せられた。


「こいつは関係無いですよ。手出さないで下さいますか?」


「あぁ?てめぇ!!てつどういんのくせに成り上がりやがって!!」


挑戦者の拳をジャッキーさんは
片手で受け止め捻じり上げる。
挑戦者の悲鳴が
トレイン内に響渡った。
真顔で腕を捻じり上げながら
誰かと連絡を取っている。
連絡が終わると今度は背に乗っかり
組みの姿勢となり押さえつけた。
明らか体格では挑戦者が上だ。
だが退かせれないという事は
ジャッキーさんの方が強いのか?

しばらくして、その挑戦者は
警察沙汰となって連れて行かれた。
ジャッキーさんは僕をしばらく
じーっと見た後ある提案をして来た。


「・・・そうめん食べる?」


「・・・食べます。」


僕はそうめんを食べる為
ジャッキーさんの後を追った。
後から聞いた話だが
そうめん食べたい一心で
戦いを終わらせていたのだとか。
しかしジャッキーさんは細身で
ラムセスさんより小柄なのに
力と体力と胃袋は計り知れない程
強そうだ・・・。

うん。一寸の虫にも五分の魂とは
まさにこの人の事かな。
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