夢のお茶会

□新しい言葉
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デジャヴるぞこれ。
前にも会ったよな・・・
で?今俺の後ろに居る人は・・・

やっぱりそうだ。
間違いなかった。
"あの時"同じ・・・
黒いコートに包丁型モミアゲ・・・
ノボリさんだ。
僕はだらしない姿勢を
ピンと戻してノボリさんと
目を合わせた。

多分、だらしない所を
見られたと思う。
でもそんなの気にしてたら
負けだと思うのです。
多分、幻滅されたと思う。

と思っていたのは
僕だけであって
ノボリさんは笑ってくれていた。
それもその筈だ。
ノボリさんの視界には
ミアレガレットを頬張った
バケッチャがあちこちを
徘徊しているのだから。

バケッチャマジでみっともない。
女の子なんだから
もうちょい上品にしてよ。


「ふふっ、お可愛らしいですね。バケッチャと仰るのですか。私はノボリです」


ノボリさんの掌に乗って
ガレットをガリガリと
口内で消費するバケッチャ。
あーあ、ノボリさんの手袋の上で
食べカスなんてこぼしちゃダメだろ
マナーがなってねぇ・・・
僕はノボリさんに謝りすぐに
バケッチャを引き離そうとしたが
ノボリさんに止められる。

"大丈夫ですよ"そう言って
バケッチャの頭を撫でる。
するとバケッチャ本人も
嬉しいのか口をモグモグさせながら
笑っていた。
さすがノボリさん。
彼もゴーストタイプを
持っているから
ゴーストタイプの扱いには
慣れているんだろう。

優しくて頼れて
女性の扱いがうまいとか
どんだけノボリさんハイスペックなの。
僕は思わず感心してしまう。
って、感心してる場合じゃねぇ!!
謝らねぇといけねーんだよ!

僕が口を開こうとした時
ノボリさんのモンスターボールから
顔を出したのはシャンデラ。
僕の持っているランプラーから
進化する言わば進化形という事になる。
そのシャンデラは不機嫌そうに
ノボリさんの袖を引っ張った。
おそらく嫉妬か何かだろう。
このシャンデラも一応は♀。
というよりシャンデラは
ノボリさんが好きだと思うんだ。

そろそろバケッチャをボールに
戻さなきゃ完全に彼女が召されるだろう。
僕はバレない様にモンボ(ボール)を
取り出してバケッチャに向ける。


「おや、仕舞われてしまうのですか?」


「え、あ、はい。」


正直、今バケッチャを仕舞わなきゃ
バケッチャだけではなく
ノボリさんにまで被害が
拡大をしてしまう。
シャンデラの炎は魂を取る
みたいな説明だった様な
気がするから。
今こんな忙しい時に
バケッチャ(草)が燃やされ
ノボリさん(魂)が燃やされ
事態が急変してしまえば

僕とクダリさんが
いろんな意味でヒステリックに
なりかけないだろう。
そうなるとヒステリックに
なった方もなった方だが
止める方も止める方だろう。
どちらにしろ地獄だ。
シャンデラ一匹で
この世の物とは思えない程の
地獄が始まると考えただけでも
末恐ろしいものだ。

ここで僕は思う・・・

女の嫉妬は怖い。
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