夢のお茶会

□柳の木
1ページ/2ページ

「一寸の虫にも五分の魂」


昼飯の途中。
何やらことわざを
ぼそりと呟いたのは
一緒に飯を食ってた
てつどういんのジャッキーさん。
いきなりどうしたのだろう?
弁当に何か悪い物でも
入っていたのだろうか??
しかも不思議な事に焼き鯖と
睨みあっている。
あぁ、ますますやばい。

鯖と睨みあってるのは
だいぶな致命傷を負っている。
僕はジャッキーさんを見て
"どうしたんですか?"と声を掛けた。
しばらくしてジャッキーさんは
意味の分からない事を話し始めた。


「小さく弱そうに見えるものにも、それなりの考えがあり、思っていることをやり通そうとする強い気持ちがあるものだ。そういうものの力を軽く見てバカにしてはいけない」


何の事だかさっぱりで
頭にはてなマークを浮かべた。
何を言っているのだろう。
黙々とお弁当を食べる
ジャッキーさん。
僕も残りの白米を口に運んだ。
しかしこの肉弁当はうまい。
甘辛く仕上げられた牛肉しぐれ煮が
白米とよく合う。
あー、将来は牛肉しぐれ煮に
埋もれたい・・・。

僕の隣では手持ちポケモンが
一休みしている。
あ、そういえばジャッキーさんて
どんなポケモン持ってんだろ?
気になった。
どんな戦い方をして
どんなポケモンを出すのだろう?
僕は午後から彼が
スーパーシングルトレインに乗ると
聞いたので見学しようかな。
一応ジャッキーさんに許可を取る
"いいよ"予想以上に早い返答。

そんなあっさりOKなの!?

まぁ、許可貰ったんだし
どんな返答でも
結果オーライなんじゃない?
あまり考えない事にした。
多分、色々考えたら負けだから。
今思ったらジャッキーさんだけ
なんだよなぁー。
ポケモン見てないの。
ノボリさんはシャンデラや
オノノクスを持っているし
クダリさんはシビルドンや
デンチュラが居ると思う。

他の職員さん達は
持って来るポケモンは様々だ。
エモンガ→クラウドさん
エルフーン→シンゲンさん
ユレイドル→キャメロンさん
ルカリオ→トトメスさん
ランターン→ラムセスさん
ディグダ、ダグトリオ→カズマサさん

しかしジャッキーさんだけは
唯一分からない。
というよりジャッキーさんに似合う
ポケモンが見当たらない。
ジャッキーさんと言えば
イメージがゴーストタイプ
なんだけど。
勝手にイメージ付けちゃいけない
様な気もする。

そんなどーでも良い事を考えていて
気づけば卵焼きを食べ終わって
弁当が空になっていた。
ジャッキーさんも食べ終わったのか
弁当箱をゴミ箱へポイした。
僕もゴミ箱へポイする。
そうだよ。ポイ捨てよくない。
駅が泣くよ?
ま、そんな事したら
シンゲンさんの地雷
踏む事になるけどさ。

僕は急ぎ足で
ジャッキーさんを追った。


スーパーシングルトレインに乗り
挑戦者を待つ。
僕は審判を任される。
あぁ、もうすぐで彼のバトルが
拝めるんだ・・・
期待と興奮で頭が冴えてる。
何か身体が熱くなって来た。
こんなにもバトルで熱くなったのは
初めてじゃないだろうか?
まるで今から自分自身が
ジャッキーさんと
戦うみたいな・・・。

ドアが開いて挑戦者が現れる。
体格が良い男の人だ、
しかも超コワイ。
挑戦者から目を離さない
ジャッキーさん。
負けじとジャッキーさんを
威圧する挑戦者の人。
スーパーシングルトレインは
一触即発の危機を迎えた。
末恐ろしい。

この戦いに巻き込まれて死んでも
何も言えないだろう。
だって、僕から見たいって
言い出したんだもの。
あぁ、ある意味"自己責任"ってやつか。
挑戦者とジャッキーさんが
ほぼ同時にボールを投げた。

挑戦者の方はランクルス。
ジャッキーさんの方はエテボース
エスパーとノーマルか。
相性でいうと微妙な境かな。

"試合始め!!"と言いたかったが
しあ・・・の時点で
ジャッキーさんが動いた。


「エテボース!ねこだまし!」


ねこだましで先手を取り怯ませる。
おぉ、良い戦法!!
ランクルスは怯んでいるが
今度は相手のターンだ。


「ランクルス!!きあいだまぁ!!」


"きあいだま!?"
思わず声に出してしまった!
まさかきあいだまランクルスで
攻めて来るとは・・・
放たれたきあいだまは
エテボースに命中する。
こうかはばつぐんだ!
このままだとジャッキーさんが
負けてしまう・・・。

僕が思っていただけで
ジャッキーさんの顔には
焦りではなく笑みが浮かんでいた。
タスキをもたせている訳じゃないが
エテボースがギリギリで耐えていた。
だけどランクルスに大ダメージを
与えれる技がなければ
倒せないだろう。
僕は固唾を飲んで勝負を見守る。


「エテボース・・・しっぺがえし」


しっぺがえしがランクルスに当たる。
こうかはばつぐんだが
威力があまり無い。
ジャッキーさんの勝ちを
絶望していたがランクルスが
一撃でKOされた。
ナモのみを持っていたのにも
関わらずランクルスが
戦闘不能になる。
同時にエテボースも
戦闘不能になった。
どうやら相討ちになった?と
見たが定かではない。

何故ならランクルスが技を発揮
していなかったからだ。
じゃあ何故、相討ちになったのか。
疑問が残るが審判を続ける。
一匹目が戦闘不能になり
お互い残り二体となった。
次に繰り出したのは・・・・・・


挑戦者はリザードン。
ジャッキーさんはシュバルゴ。
これはどっからどう見ても
ジャッキーさんが不利だ。
スピードも相性も
リザードンが勝っている。
挑戦者がリザードンに指示を出す。
それは絶望のかえんほうしゃ。

シュバルゴがかえんほうしゃに
当たり、一撃KOされた。
ジャッキーさんは残り一体。
追い詰められても平然としている。
どうしてそんなに平然と
していられるのだろうか・・・。
笑みは消えたが焦りは見えない。
ジャッキーさんの最後の一体は・・・
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ