夢のお茶会

□地下鉄廃人施設
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イッシュ地方・ライモンシティに
イかれた施設があると言われている。
ポケモンセンターから
右行った先、ライモンシティに
到着した直後、目に入る
どでかい建物がある。

"ポケモン廃人"縮めて"ポケ廃"
そんなトレーナー達が集う施設
バトルサブウェイ。

挑みに来るトレーナー達は
皆、個体値の厳選や
努力値の振り分けなどをして
本気のバトルをしてくる。
そしてバトルサブウェイの
従業員達やバトルサブウェイの
最高責任者・サブウェイマスターも
本気のバトルででトレーナー達を
負かせに来るのだ。

そしてここに居る僕も
一応はその従業員の一人だ。

だかしかし!!

ご生憎、僕にはそんな力は無い。
僕はただの受け付けてつどういん。
たまにトレインに乗ります。
でも僕はポケモンバトルが苦手で
不向きなのです。
しかも僕はいつからこの仕事に
着いているかが分からない。

物心着いた時からここに居た。
というよりここで働いている。
思い出そうとすれば
何故か頭痛が起こるんだ。
だからあまり考えない様にしよう。

再び持ち場に戻り
受け付けを済ませる挑戦者を横目に
次の挑戦者の受け付けを開始する。


「バトルサブウェイに ようこそ!
こちらでは シングルトレインの乗車を
ご案内して おります
シングルトレインに 乗車しますか」

*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・

「手持ちか バトルボックスの
どちらを 使うか 選んでください」

*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・

「それでは 参加する
ポケモンを 選んでください」

*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・

「それでは シングルトレインへ
ご乗車ください!」


もう何回も言い慣れた言葉を
早口言葉の様に述べた。
ここの従業員はよく
営業スマイルだとか
無駄に愛想が良いとか
色んな事を言う人達・・・
おっと間違えた。

色んな事を言う客が居る。
あ、そういや黒ボスと白ボスが
言ってたっけ??

"廃人施設が故にクレーマーが酷い"

そんな現実を突きつけられて
顔が真っ青になった事もあった。
勝てなかったから威張り散らす人や
泣き叫ぶ人も居る。
一番酷かったのは
あのサブウェイマスターに
殴り掛かった事か。

幸いその場に居た従業員によって
その男は捉えられたけど
一歩間違えていれば
サブウェイマスターの顔に
傷を付ける所だった。

そいつはどうしたかって?
もちろん、出禁にされましたよ。
というより改造ポケモン使うなんて
良い度胸している人だ。
しかしその改造ポケモンにも
平然と凛々しく立ち向かう
サブウェイマスターは凄い。

カッコよくて憧れる。

僕の夢は彼らみたく
凛々しくなる事!

あ、廃人とか無理なんで
そこはそこですよ。
とか言ってるけど、こんな
H・D・Sの俺がサブウェイマスターみたく
カッコよくなれる筈もない。

因みにH・D・Sってのは
H(平凡)
D(ド素人)
S(最弱)の略である。


「お疲れ様です。何考えてたのですか?」


「え、あー、いえ。サブウェイマスターのお二人みたくカッコよくなれたらなぁー!って・・・え?」


「ほぉ、それは。良き目標ですね。」


「くくくくく、黒ボス!?」


「はい、なんでしょう?名無しさん」


僕の背後に立って居たのは
サブウェイマスターの一人
ノボリさんだった。
僕は黒ボスと呼んでいる。
だって、みんながみんな
黒ボス、白ボスって言うんだもん。
ここで僕が乗らなきゃ
ノリの悪い男だと思われる。

普段の彼は仏頂面で堅物なのだが
サブウェイマスターの話をすると
弟の様に笑うんだ。
本当、笑ったら弟そっくりだ。
多分、双子シャッフルされても
区別がつかないだろう。

そんな彼の優しい表情に
一瞬見惚れたが
そのおかげで受け付け表を
地面にブチまけてしまい
現実に引き戻さた。
慌てて受け付け表を
拾う僕を見るや否や
ノボリさんも拾ってくれた。
そして偶然居合わせた
挑戦者の方も親切に拾ってくれた。

なんか、申し訳ない。
しかしこれ程、笑顔が似合う
成人男性は居るだろうか?
普段、仏頂面の人が笑顔になると
見惚れない訳がない。

まぁ、黒ボスに手を出すと
逆にこっちが返り討ちに遭うので
それはやめておきたい。
この人と戦って勝てる動機が
見つからんのは当たり前の事。

誰かから聞いた言葉がある。
ポケモンバトルはディナーの後で。
彼らサブウェイマスターは
そんな甘くはないだろう。
ポケモンバトルは朝飯前である。

とくに黒ボスの弟さんは
無類の戦闘好きらしい。
戦闘狂でバトルが大好きで
それより大好きなのは
ポケモンバトルで勝つ事らしい。

なんたる強気発言。
どんだけ自信あるんだよ。
bw・bw2をやっている人等は
さぞかしそのセリフに
戦慄を覚えた事だろう。
さらに本気じゃないときた。←イマココ

もう僕はこの時点で折れてますよえぇ。
折れてます。確実的にバッキバキ。

だって、こっちがせっかく
シングルトレイン、ダブルトレインで
20人ブッ殺して
さらにマルチトレインでは
その倍の40人ブッ殺して
サブウェイマスターの所まで行き
激闘の末勝ってBP6貰って
終点着いて「は〜、やっと勝てたー!」
なんて思っていたら

駅に居たOLに
「サブウェイマスターってマスターって言ってる割には大した事なかった。まるで私達を試してたみたい。」とか言われて
手加減されたって信じたくない
この現状におまわりさんから
「私にはアレが彼らの本気だとは思えんのだが・・・」とか言われた絶望ったら
ありゃしない。
凄まじいものだよ。
インパクトがな。


「名無しさん?」


「ウェイ!!?」


「どうかなさったのですか?」


「いえ!?いえ!!あ、お疲れ様だなーって、思っただけですよ!!」


「私は疲れてませんよ。貴方様がたの方こそ、夜遅くまで受け付けやポケモンバトルをして下さっているではございませんか。私はそんな貴方様がた、ギアステ職員のご活躍誇りに思いますよ。」


そんな褒められたら頑張らない奴も
頑張りますよ。少なくとも
僕は頑張ります。
いや、この身を削っても
貴方に一生着いて行くでしょう。
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