短編夢

□St.Valentine
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「んナミすわーん!!エリーちゅわーん!!ロビンちゅわーん!!」


朝からラブコック、サンジが女性陣相手に騒がしい。

今日はバレンタインデーだ。


サンジはナミ、エリー、ロビンにそれぞれチョコを渡すとラブハリケーンを巻き起こし、キッチンへと戻って行った。



「うるせェ野郎だぜ…」

その光景に面白くないと言った表情を見せるのはゾロ。


「ゾローーー!!サンジからチョコ貰ったんだ!!一緒に食べよ?」


エリーがゾロに言うともっと不機嫌になるゾロ。

「あいつがエリーにってくれたんだろうが お前が食えよ」


ブーとエリーが口を尖らせると、何か閃いたのか、エリーは企み笑顔で走り去って行った。





エリーが向かった先はサンジが居るキッチンだった。


「ねェ寝ェ サンジ!!キッチン貸してもらってもいい? あたしもチョコ作るーっ」

無邪気に笑って頼んで来たエリーにサンジは目をハートにして快く承諾してくれた。

「でもなんでエリーちゃんが作るんだい?」


サンジが問う。


「本で読んだ事があるんだけど 何処かの島では女の人が男の人にチョコをあげる風習があるんだって!!
それをやってみようと思いまして」


ニヒィと笑うエリーに電撃がはしるサンジ。


(まっまさか…エリーちやんおれの為にチョコを…!?
いや待て…心の準備が…!!どーしよーー!!!!)


サンジの妄想をよそにエリーはせっせとチョコを作り上げていく。









「出来たァーーーーーー!!」

なんだかんだで時間が掛かり、夕食間近になってしまった。


「あちゃ〜 こんなに掛かるとは思ってなかったなァ…」



エリーはそれをラッピングするとゾロの元へと急いだ。



太陽が水平線に沈もうとしている。
珍しくゾロは起きていて、船尾から海を見つめていた。

「ゾロっ!!」

エリーなりにダッシュして来たのだろう。ハァハァと息が切れていた。


「おォ どうしたエリー
さっきは急にどっか行っちまうし
今までどこにいたんだ?」


心なしかゾロは寂しそうだった。



「ねェゾロ どっかの島じゃね
バレンタインデーには女の人が好きな男の人にチョコを渡すんだって」

エリーの話の趣旨が掴めないゾロはへェとだけ返してみる。


「その…ゾロに作ったの!!チョコ…
食べてくれる…?」


エリーの顔は赤くて湯気が出そうだった。



「お前が…俺にか?」

ゾロは突然の事に戸惑っている様子だった。


「あー…ごめん!重かったよね」


エリーが肩を落とし帰ろうとすると、ゾロが急にエリーの腕を掴んだ。





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