銀魂夢

□池田屋事変3
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沖田「これは…」




土方の命を受け皆全速力で池田屋に駆けつけたが、既にそこは全てが終わった後だった。





沖田「チッ!」






沖田は池田屋の室内を観察しながら舌打ちする。
血の海の室内には屍がゴロゴロと転がっていた。





沖田(たった6人でこれだけの数を相手にしやがったのか…しかも)






物思いに耽る沖田にかけつけた土方が声を掛ける。





土方「おい、総悟!状況を報告しろ。」





沖田「見た通りでさぁ。爆発は阻止。池田屋に居合わせた改新党の輩はみな全滅。
副隊長以下5名の隊士の生存及び行方は不明。」





沖田の報告に土方の目が見開かれる。





土方「何!名無しさんたちが行方不明だと!?一体どうなってやがる。」





苛立つ土方に沖田はゆっくりと室内を見渡しながら





沖田「土方さん、落ち着いてくだせぇ。状況から推察するにあいつら池田屋に到着して早々に、鉢合わせた改新党の輩と斬り合いになりながらも、爆破阻止に成功。
しかし、改新党が残党を呼び寄せ修羅場となった。」





土方「6人でこれだけの人数を相手取ったわけか?」






沖田「そうみたいですぜ。明らかに刀傷よりあいつにやられた奴の方が多い。
そして土方さん死体をよく見てくだせい。」




土方「うん?なんだこいつら全員銃で撃たれて死んでるのか。」




沖田「ご丁寧に意識を失ってただけの奴まで皆殺しですぜ。」




沖田の言葉に言わんとしたいことを察した土方が言葉を紡ぐ。




土方「なるほど、つまり名無しさんたちは第三者によって捕らえられたと?」





沖田「そう考えるのが妥当でさぁ。」




土方「ならその第三者は間違いなく小野田の仕業だな。あいつら無事だといいんだが…」





土方は床に落ちている 名無しさんがいつも身につけている髪留めを見つける。それに気付いた沖田が壊れた髪留めを拾い上げながら




沖田「少なくとも無傷ってことはないですねぃ。特にあのバカ 名無しさんが無理してないはずがねぇ。」






血塗られた髪飾りを見つめ沖田の拳にグッと力が入った。




土方「とにかく時間は刻一刻を争う。総員全力で革命党のアジトを見つけ出せ!!」




土方の怒号で隊士たちが一斉に
捜査へと駆けていった。
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