銀魂夢

□出会い4
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沖田「おいメスネコ!お前まともに報告書一つ書けねぇのか?俺より弱いだけじゃなくておつむも負けてるなんてかわいそうな奴でさぁ」




名無しさん「だ・か・ら💢あれは体力の差で、私はお前に負けたなんて思ってないから!」
 



今日も真選組のいつもの光景が広がる。名無しさん が真撰組に入隊して一週間。
私闘の結果は名無しさんのスタミナ切れによる敗北で勝負が決まった。





晴れて?一番隊に入隊した名無しさんは上司の沖田から事あるごと、毎日のように嫌みを言われている。





名無しさん「仕方ないじゃない!私は天人で話すことはともかく読み書きはまだ難しいだから。」






沖田「なに甘ぇこといってんだ。そんな言い訳通用するか。」




名無しさん 「そんなこと言っても私だって精一杯やってるでしょ!このチンピラワンコ!!!」




沖田「うるせぇ、てめぇの報告書が読めねぇのに変わりはねぇ。俺は指導してやってるんだぜ。」





名無しさん 「それは指導じゃなくて、パワハラって言うのよ!」




名無しさんが沖田に殴りかかる。本日何度目かの光景にはぁとため息をつきながら



山崎「また始まりましたね。今日はここまでで進まないかなぁ。」




名無しさん 「ったくもう!」




いまだに怒りが収まらないのか 名無しさんは、手に他の隊に渡す書類の山を持ちながらドンドンと足音を立て廊下を歩いている。





山崎「まぁまぁ、名無しさん副隊長。沖田隊長はあぁ言ってますが、僕らは名無しさん副隊長が天人なので仕方がないの分かってますから。」





名無しさん「でしょでしょ。なのにあいつと来たらあームカツク!死ねサド。」





思い出して再び怒りが込み上げてきたのか、名無しさんは拳を握り締め吐き捨てる。そして気を取り直して






名無しさん 「ところでザキ、一個教えてほしいことあるんだけど」





山崎「何ですか?」





名無しさん 「万事屋の場所教えてくれない?」





山崎「いいですけど、旦那たちになにかようですか?それともチャイナさんに会いに?」






名無しさん 「ちょっとね。このままじゃ悔しいじゃない。」






山崎「???」







名無しさん 「とにかく教えて。明日の非番にいくから。」









ピンポーン



新八「あっ、お客さんだ。依頼だといいなぁ。」






銀時「新聞の勧誘じゃねぇ?この間もやって来て、とらないかってしつこかったもんな。」






新八「なに危機感ないこと言ってるんですか?今月もうちは苦しいんですよ。」





神楽「なに一人でぶつぶついってるネ。早く出てこいこのダメガネが!」




新八「痛っ!神楽ちゃんいきなり殴らないでよ!」





神楽「じゃあいきなりじゃなかったら殴ってもいいアルな。てめぇをサウンドバッグにしてもいいアルな。」






新八「ちょっと怖っ。そんなわけないよね。そんなこと許されるわけないよね。」




言い合いを始める神楽と新八。そこへもう一度呼び鈴が鳴った。


ピンポーン





しかし二人は聞こえていないのか言い合いが加速していく。






銀「おいおい二人とも、そんなことよりお客さん待ってるから早く出てこい。」





神楽「今はムリね。最近このダメガネなめた口聞くネ。だからどっちがえらいかわからしてやるネ。」







新八「それはひどいよ神楽ちゃん!」






神楽「犬だってしつけしないとなめた真似してくるネ。ここはグッとこらえてしつけするネ。」





新八「そもそも僕は人間なんですけど」



ピンポーン、ピンポーン



名無しさん 「すいませーん!」






銀「ったく仕方ねぇな。」






らちが明かない二人を残し銀時は玄関に向かう。






銀時「はいはい、新聞の勧誘ならお断りですよー。」






そう言いながら玄関の戸を開けると、そこにはえんじのチャイナ服を着た女が立っていた。






名無しさん「ここって万事屋さんで合ってる?」





新八「粗茶ですが。」






名無しさん「ありがとう。」






新八の差し出したお茶をニッコリ笑って受けとる。 






名無しさん 「ズズズッ」







新八(銀さーん!すっごくキレイな人なんですけど!)






新八は銀時の側に駆け寄り耳打ちする。銀時はそれがどおしたと言わんばかりの態度で受け流す。






銀「さて依頼主さんよ。あんた用件を聞こうか?」

 



名無しさん 「新八君っていったっけ?お茶ご馳走さま。その前にまずは自己紹介しなきゃ。」






名無しさん「私は名無しさん。ちょっと前にこの星に来たばかりの天人よ。」





銀「へぇーおたく天人なの?そんな風には見えないけど。チャイナ服だし、肌白いしもしかしてうちの神楽と同じ夜兎だったりして?」





銀時はイチゴ牛乳を飲みながら思い付いたように言った。






名無しさん「そのもしかしてよ。」





まさかの答えに口に入れたイチゴ牛乳を吐き出してしまった銀時にすかさず神楽が突っ込む。






神楽「銀ちゃん汚いネ」






そんなこと気にも止めず話続ける。





名無しさん 「あっ、私は神楽ちゃんと違って混血。だから日の光にもそこまで弱くないのよ。」






そう言いながら神楽の手を取り



名無しさん「あなたが神楽ちゃんね!会いたかった!私一人っ子だからずっと妹がほしかったの!!!」





名無しさんは本当に嬉しそうに神楽を抱き締めた。その様子に神楽も嬉しそうに答える。






神楽「私もごっさうれしいアル!」






新八「名無しさん さんが神楽ちゃんと同じ夜兎なのはわかりましたが、そうすると今はどこに住んでるんですか?」





名無しさん「今は真撰組にお世話になってるわ。一応一番隊副隊長よ。」






新八「真撰組に!?一番隊の副隊長?話が急すぎてついてけないです。何があったらそういうことになるんですか?」






名無しさん「話すと長くなるけど運が悪いことが10個くらい重なるとなるんじゃない?」





名無しさんは口にするのも嫌だと言わんばかりの顔で答える。







神楽「一番隊ってあのサドが率いる部隊アルな。名無しさん姐かわいそうアル。あんな奴にこき使われるなんて気の毒ネ。」







神楽が心底気の毒だと同情の意を名無しさんに示す。そんな神楽をみて抱きついた。





名無しさん「神楽ちゃんは本当にわかる子だわぁ!」




新八「はぁ。」




銀「へぇーこの星来て早々厄介な奴等に捕まったみてぇーだな。」






名無しさん「ホント災難ばっか。」





銀「それで依頼は?」






名無しさん「話が脱線してごめんごめん。依頼は私に読み書きを教えてほしいの。」



一同「???」



名無しさんからの思いもかけない依頼に驚く一同だったが、





新八「読み書きってまた何故ですか?」





名無しさん「何故って簡単な話。私天人だからこの星の言葉まだまだわからないこといっぱいあるわけ。
だけど、真選組で報告書出すときわからない、出来ないじゃ通らなくて。」






銀「それで教えてほしいってことか。それならわざんざ俺らに教えてもらうより、隊士の誰かに教えてもらった方が早くねぇか?」






銀時の言葉に新八も納得しながら名無しさんの顔を見るが名無しさんは一言。




名無しさん「みんな字が汚くてバカそうだから嫌。」





新八「それって酷くないですかぁ」





名無しさん「酷いもなにも事実だし。うちの隊、真選組の中でも一番の武闘派だから、戦いは出来てもお手本になるような筆跡の奴全くいないんだよね。
唯一お手本になると思えたのが、あのチンピラワンコだけだったことが更にムカツク!あいつにだけは絶対に教えてもらいたくない!」





神楽「そうネ。あいつなんかに教えを乞うぐらいなら、死んだ方がましヨ。」





銀「なるほど、それでうちに来たって訳か。それぐらいならお安いご用だぜ。新八!」



新八「わかりました。今から僕が寺子屋に通っていた頃の教本持ってきますね。それで少しずつ練習しましょう!」





名無しさん「引き受けてくれるのね!ありがとう!」




しばらくして




名無しさん「ふーん、筆って結構奥が深いわね。」


名無しさんは新八に筆の持ち方や墨の刷り方を教えてもらい、文字を書く練習している。



それを銀時はジャンプを読みながらたまにお節介を焼き、神楽はせっかくなので 名無しさんと同じく読み書きの練習をすることになった。





銀「そんなに一気に筆に墨付けるとベタベタに字がぼやけるぞ。」




新八「そうです。」




名無しさん「なるほど!」





夕方

名無しさん「今日はありがとう。」





新八「いえいえ、名無しさん さんは飲み込み早いですよ。ねぇ銀さん。」





銀「そうだな。コツを掴むのが早ぇな。」





名無しさん 「えへへ、これからも非番の日は習いに来るのでよろしく。」





神楽「任せるネ!私たちにかかれば 名無しさん姐も直ぐにネイティブの仲間入りネ。」





銀「お前も教わる方だろ!」






名無しさん「フフフ、そうそう忘れるところだった。今日の授業料はどうすれば良い?」




銀「いらねぇよ。」





名無しさん「えっ!」





銀「だからいらねぇって。神楽の姉にお代なんてもらえるかよ。」





名無しさん「いや、でもそんなわけには」





銀「そう思うならちょくちょく顔を見せてやってくれねぇか?お前が妹がほしかったように、あいつも口では言わねぇが姉がほしかったようだからよ。」






そういって神楽に目線を送る。



名無しさん「…」




しばらく無言だった名無しさんだが


名無しさん「でもこのままじゃ私の気が収まらないわ。あなたたち今日の夕飯は食材は?メニュー決まってるの?」





神楽「決まってるもなにもうちは万年赤字ネ。」






名無しさん「フフフ、それじゃあ手料理振るっても良いかな?」





銀「おいおい、うちの神楽はってそうだった。お前も夜兎だったな。」






名無しさん「正確には半分だけ夜兎だけどね。たっくさん食べるんだよね!任せて!これでも腕には自信あるから!」





新八「それは楽しみだなぁ。」






神楽「名無しさん姐がご飯作ってくれるアルか?楽しみアル!なに作るアルか?」





名無しさん「そうだなぁ?今日は寒いし皆で鍋でもつっつこう。」





銀「いいねぇ。それで熱いの一杯ひっかけたらたまらねぇなぁ。」





名無しさん「この星のお酒って美味しいよね。銀さん私も付き合うわよ♪」





銀さん「お前行ける口なのか?そうとわかれば銀さんお勧めの日本酒をがあるぜ。」





名無しさん「ニホンシュ?何それ?楽しみー!それじゃあとりあえず買い出しにいきますかぁ」
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