ヒロアカ夢

□ヒーロー4
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「3対2。いくら実力を買われているとは言え数では向こうが有利。気を引き締めていかねば。」





訓練が始まったがまだヒーロー側がやって来る気配はない。






「あぁ、そうだな。だが3人って言っても向こうのチームの名字の個性は治癒だ。だから数に入るかっていったら微妙だろ。」





「まぁ確かにそうなんだがな。」






そんなことを話ながらヒーロー側の出方を伺っていたが全くもって動きがない。






「待っていても拉致があかねぇな。」






「あぁ、俺は斥候にでるぞ。個性からして俺の方がいい。」






「そうだな任せた。」






ヒーロー側を捕縛する作戦に変え、二手に分かれる。





「別れた。予定通り、核のある3階中央ホールに轟君。そして2階の階段付近に降りてきてるのが障子君。葉隠ちゃん頼んだ。」





今まで息を潜めていたヒーロー側は二手に別れたのを確認して動き始めた。





「了解!引き付け役は任せて!」





名前の指示で葉隠ちゃんが障子君の方へとこっそり移動する。しばらくすると葉隠ちゃんの気配を感じ取った障子君が、捕縛のため追っかけていくのが見えた。






「それじゃあ行こう。」






尾白君に合図を送り二人で3階の轟君のいる部屋へ迷わずかけ上がる。





「まさか君が個性を2個持っていたとはね。」





移動しながら尾白君が私に話しかけてきた。




「別に1個だなんてルールないもんね。」





「しかも探知能力なんて今回の訓練にぴったしだ。」





そりゃどうも。と軽く笑い轟君に気付かれないギリギリの位置まで身を潜め様子を伺うが





(全く隙ないなぁ…)





壁越しに轟君を見つめながら感想を述べる。自然体のようでどこか張つめた緊張感みたいなものを醸し出してて、そんな轟君も格好いいなんて思っちゃう心を抑えつつ





「よし、葉隠ちゃんのおとりもうまくいってるし、今がチャンスだね。せいので突入しよう。」






「あぁ。」






緊張した面もちの尾白君を眼で励まして私たちは呼吸を整えると






せいの!






一斉に部屋に飛び込む。すると





「!?」





轟君はほんの一瞬だけ驚いた様子だったが、空かさず地面を氷結し私たちの捕縛にかかる。






「奇襲をかけたみてぇだが残念だったな。」






氷が瞬く間に地面を覆い動けなくなってしまった。対照的に轟君はやれやれ終わったといった様子だ。しかしまだこれで終わりではない。






「今だよ!」






「わかった任せろ!」





私の合図で尾白君が私を尻尾を使って核の方へ思いっきり投げたのだった。






「何だと!」






驚くのも無理もない。彼は二人とも捕縛したと思っていただろうが、私は氷結される前に尾白君の尻尾のお陰で氷結を逃れていたのである。





私は轟君の頭上を飛び越え着地したかと思うとそのまま核へとひた走る。






「核は頂く!」






私は勝利を信じ走るが





「させるかよ。」





私を凍らして捕縛するつもりで、背後から氷の塊を伸ばし攻撃を仕掛けてきた。懸命に走る私をよそに、氷はすぐ背後まで迫ってくる。






「これまでか…」







背後からの攻撃を避けれるはずがないと尾白君が悔しそうに呟くがそのとき





ひょい




場に似つかわしくない効果音と共に、私は何事もなかったかのように前を向いたまま轟君の攻撃を避けたのだ。そして






「勝ったぁ!!」





無事核を回収。皆が唖然とするなかヒーロー側の勝利で幕を閉じた。


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