刀剣/乱舞
□審神者となる
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ー当日ー
早朝、家族に見送られる形となった。
「いってらっしゃい」
「.....あぁ」
短い返事と共に私は歩みを進めた。
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正直、この家では私の精神は持たなかった。
イジメのあの9年間、親は口ばかりで何もしてはくれなかった。
それどころか虐待されていたのだ。
兄弟達からも理不尽な暴力を振るわれ、ひたすらはやく死なないものかと一人泣いていた。
否、涙は枯れた。
ブラック企業を辞め、精神が病んでいる中即座にバイトを入れろと殴られ必死にバイトを探し働き始めた。
それから間もなく精神科へ通うようになってからはバイトの時間も減り、必死にお金を稼ぎながら通院代。勝手に契約された保険代、行きたくもない成人式の為の着物代。車のガソリン代等、月々約5万、崩れそうな精神の中必死にかき集め働き続けた。
数日に1度体が人を拒絶し休む事もしばしばあった為、月の給料は6〜7万。こんな自分をよく働かせてくれたと思う。
ただ、カツカツすぎてそれだけでも病んだ。
深い、深い闇に堕ちてしまった。
何度も自殺を実行したが失敗に終わった。
首吊りは切れるはずのない真新しいロープが千切れ、寸での所で死ねなかった。
服薬自殺は本気で死んだと思っていたのに、昏睡状態で部屋の電気をつけたり戸を開けたりし、倒れているところを発見され救急搬送された。
助かってしまった。
絶望した
だが、全ては、これから始まった訳ではなかった
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「待ち合わせ場所は...ここか...」
始発の新幹線へ乗り、途中何度か乗り継ぎをし着いた先は
伊勢駅
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伊勢へ来たのならお参りをしなければ。
約束の時間はまだたっぷりあった。
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猿田彦神社、外宮、内宮へと周り体に神気を取り入れる
神社は神様に願いを叶えてもらう為ではなく、日々の感謝を伝える場所だ。
感謝の言葉を込めて各神社へとお参りをした。
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参拝を終えるとぐるる、とお腹が鳴った。
そういえばまだ何も食べてはいない。
“あの店がいい”
ふと、声をかけられた気がした
気のせいか、と思いつつその店に入って食事を済ませる
とても美味
会計を済ませ、迎えが来るという場所へ歩みを進める
“これからはじまる”
また、声が聞こえた...?
謎の声(?)に疑問を持ちながらも、きっと疲れているんだろうと切り替えた。
迎えは既に待っているようだった
「待たせてしまい大変申し訳ありません。結羽です」
「初めまして、貴女が結羽殿ですね。これから少し移動しますのでこちらへ」
無駄に長くて真っ黒い車.....これってアレ...リムジンってやつですか...?
若干(どころではない)ビビりながら乗車し、車はゆっくりと発進する