ぬらりくらり

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『おとうさんを…ただまもりたくて…
そしたら…リクオがみえたの…
リクオは…はなれていたから…そこからならリクオは…にげれるっておもったの
リクオはいまここで…にがさなきゃダメだっておもって…だから…いえからだれかをよんできてっておねがいしたの』
「そうじゃったか…
リクオを守りたかったんじゃな陽菜は…
リクオはちゃんと何が起きたか知らせてくれた」
『でも…わたしじゃ…おんなのこを…とめられなくて…わたしも…きられたみたい』
「そうか…」
『たおれたわたしを…まだうごけていたおとうさんが…だきしめてくれた
でも…おんなのこが…おとうさんごと…わたしもかたなで…グサッって』
「そうじゃったか…」
『おんなのこが…きゅうに…おかしくなったの…
このときを…まっていた…みたいなことを…いっていたの』
「この時を待っていた?」
『わたしは…まだ…なんとか…おきてて…
おとうさんの…きずに…てをおいたの
ちょっとだけ…ひかったけど…すぐに…きえたの…』
「(まさか…陽菜は癒しの力が使えるのか?
珱姫のあの能力に父親の危機に目覚めたのか?)」
『でもそこで…わたし…どんどん…めがとじて…おんなのこの…にっくきぬらりひょんかっていろいろいってる…ことばをきいているうちに…まっくらに…なっちゃった…』
「にっくきぬらりひょんか…わしのせいで…鯉伴は…しかも危うく陽菜まで失うところじゃったのか…
(はて?にっくきぬらりひょんか…どこかで聞いた単語じゃのぅ…)」
『あのね…けほっ…おじいちゃん』
「何じゃ?」
『おとうさんをさした…おんなのこのそばにね…おおきなめだまのようかいがいたのがみえたの』
「大きな目玉じゃと!?」
『うん…でも…それくらいしか…おぼえてないの…ごめんなさい』
「いいんじゃよ
それだけ覚えていただけでも収穫はある」
『そう?
きづいたら…くらいかわを…あるいていたの…
おばあちゃんが…たすけてくれたの』
「そうか…もういい…ゆっくり休むんじゃ」
『うん…でも…ゆめ…と…おとうさんが…いっしょになっちゃった』
「夢?」
『まえから…みるの…たおれるおとうさん』
「鯉伴が倒れる?」
『まえから…こわいゆめ…みるの…
おとうさんが…ちをながして…たおれちゃうゆめ』
「!?(まさか…夢見までもか!?
まだ四歳の子供じゃぞ!?)」
『いつもそこで…めがさめちゃうの…
うなされるから…くびなしたちもしんぱいして…くれてたの…おとうさんも…しってたよ』
「そうじゃったか…」
『でも…もう…あのゆめ…みなかった…あんなに…まいにち…みてたのに…』
「まさか夢までとはな」
『え?』
「昔…この家にもそんな夢を見るわしの娘がおったんじゃよ…
鯉伴の妹であったその娘はある妖怪に殺されてしまった…
敵は鯉伴が討ってくれたがな…
覚えているのは幹部連中と鯉伴が率いていた首無たちくらいだ」
陽菜は祖母の言葉を思い出す。
『しってるよ
おばあちゃんに…けほっ…ゆめのことを…はなしたの…そしたら…おとうさんのいもうとが…ゆめをみるこだったって…けほっ…おしえてくれたの』
「そうか…」
『おばあちゃんに…おとうさんが…まもったいのちを…たいせつにしてっていわれたの』
「そうか…じゃが…陽菜には…そんなに時間が…ないかもしれん」
『え?』
「こんなことを…言うのは…酷かもしれんが…
今…陽菜の体は…前より病弱じゃ…あの時に…妖怪に…呪詛を…かけられたかもしれんのじゃ…」
『けほっけほっ…のろいみたいなこと?』
「ああ…その咳じゃよ
咳がある時は傷が痛くなるじゃろ?」
『うん…』
「陰陽師に手紙を出した…
救うにはどうしたらいいかを聞いてる最中じゃ」
『おんみょうじ?』
「人を妖怪から守るのが仕事の人間がいるんじゃ」
『おんみょうじ…ひとが…ようかいから…まもる…おしごと…』
「もう少しの辛抱じゃ…
必ず助けるからのぅ」
『おじいちゃん…』
ぬらりひょんは陽菜の部屋から出て行った。




























「総大将…急に話があるとは?」
ぬりひょんは古株の幹部たちを部屋に集めた。
「ふむ…実はな先程…陽菜からあの日何があったか聞いたのじゃ」
「それで?姫は何と?」
「にっくきぬらりひょん」
「っ!!」
その言葉に部屋にいる者たちが反応する。
「やはりな…お前さんらならこの単語で気が付くか」
「その言葉…まさか」
「陽菜が言っていたんじゃよ
刺した人物がそう言ったいたそうじゃ
わしは…鯉伴を刺した人物は…転生妖怪のあやつじゃないかと思っておる」
「なんですと!?」
「だが…何故今頃になって」
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