献上品・宝物品
□嫉妬暴走
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執務室に帰ろうとしていた矢先。
エレシュはいきなり現れたディエスに腕をきつく握られ、無理やり引き摺られるようにして歩かされた。
あまりにも突然の事で驚き、一瞬抗議の言葉を口にしようとしたがそれは終に出てはこなかった。
自分の腕を握って歩くディエスの顔がまったくの無表情で、何故か冷やかな怒りを身に纏っていたからだ。
何故ディエスが起こっているのかは解らないが、その雰囲気に気圧されてエレシュは黙って引っ張られるままについていくしかなかった。
やがて執務室を素通りして寝室へと辿りつき、更に迷うことなくディエスはエレシュを浴室まで連れてくるとそこに乱暴に投げ出した。
そして呆然と見上げるエレシュにやはり何も言う事もなく、いきなりシャワーから湯ではなく水を出して衣服を身に纏ったままのエレシュへと降らせた。
「つっ・・・」
シャワーから降り注ぐ水の冷たさにエレシュは声を漏らして眉を顰める。
勢いよく水を受けた衣服は既にずぶ濡れの状態で肌に張り付いて気持ちが悪い。
そう思いながらエレシュはここまでのあまりの理不尽さにディエスを睨みあげる。
そもそもエレシュには今回ディエスが怒っている原因に心当たりがないのだ。
何時もならディエスが怒った原因に心当たりがある。
そのため大概はディエスの怒りを大人しく受け入れる。
しかし今回は原因も解らないためそう簡単に受け入れるわけにはいかない。
そう思ってエレシュがディエスを睨みつけた体勢のまま声を出そうとしたが、それはディエスに突然腰を掴まれたことに驚いて出ることはなかった。
エレシュの腰を掴みながらやはり無表情で何も話そうとしないディエスと目が合い、エレシュはぞくっと背筋に悪寒が走るのを感じた。
そうしてエレシュが固まっている間にディエスは自分に背を向けさせる体勢にエレシュの身体を反転させた。
更にエレシュの腕を掴み右手、左手と順番に床につかせる。
そして脚も膝を床につかせたままで少し後ろへと位置をずらす。
所謂四つん這いの格好にさせられ、更に濡れたズボンと下着ごとずり下ろされる。
ここまでくれば何をするつもりなのかエレシュはすぐに悟った。
顔を僅かに青褪めた瞬間、後ろに押し当てられた熱い質量によってそれは確信になった。
「やめっ・・」
止めようとエレシュが声を上げようとしたが既に遅かった。