大切なもの。第一章

□こわくない
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次の日、悠は人生初の虫取りをしていた。


あのあと悠は家に井戸水を届けたあと、近くの森の中にある誰も知らない木の小さな洞に落ち葉を敷き詰め、濡れた手ぬぐいを被せて家に帰ったものの、弟が負わせた怪我や、蛇にでも食べられてしまわないかと心配で眠れず、そのまま朝になり目の下に隈をつくった。


コオロギでもいないかと探したものの季節外れで結局見つからなかった。
仕方なく畑に向かい、苦手なミミズを捕まえることにした。



『うぅ…ミミズ……ミミズはどこ…』



ぶつぶつ呟きながら畑の隅をほじくり返す。



ひょこっと顔を出したミミズにぞわわわわっと背筋に寒気が走る。



『(あぁ…!!今すぐにでも逃げたい…!でも、でも、触らないと捕まえられない〜〜〜!!)』



今すぐ逃げ出したい心と戦いながらミミズをそっと掴む。



『きゃ〜!!…あ、平気だ』



掴んでみたら平気なものでだんだん可愛くさえ思えてくる。



『(思ったより平気だったなぁ…よし、この調子で捕まえていこう!)』







しかしそうそうミミズは見つからないもので夕方になっても二匹しか見つからなかった。



『だめだぁっ!見つからない…
うぅ…仕方ないか…取り敢えず蛙のところに行こう』



やっと見つけたミミズを掴み、悠は蛙の元へと急いだ。








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