黒の教団 食堂での一時
□イライラするあなた
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「ひとみ、どうしたの?」
『えっ!な、何が!?』
急にリナリーに声をかけられ、ビックリしてしまった。
「何がじゃないわよ。ぼーっとしてどうしたの?」
「………」
『ご、ごめんごめん!ちょっと考え事!さ、注文聞くよ!』
リナリーには心配をかけてしまい、神田には変な目で見られてしまった。
しっかりしなきゃ!
「私はAセットね!」
「蕎麦」
『Aセットに蕎麦ね!ちょっと待ってて』
一度厨房へ引っ込み、心を落ち着かせる。まさかこんなに心を乱されるとは思わなかった。
すると、先程の金色のゴーレムがくっついてきたのだ。
『あれ?ティムキャンピーだっけ、どうしたの?』
頭上をくるくる飛んだあと、私の頭の上にちょこんと停まる。その可愛さに笑ってしまった。
『励ましてくれたのかな?ありがとね』
よし、と気持ちを切り替えてすぐに料理をする。
『リナリー、神田!お待たせー!』
「ありがとう!………あら?」
「……お前、何でソレを頭に乗せてんだ?」
何故と言われても、私も分からない。
だって勝手に私の頭に乗ってきたのだから。
『分かんない、勝手に乗ってきたの』
そう言うと、神田がひょいとティムキャンピーを掴み上げた。
別に可愛いから、乗せたままでもよかったんだけどなー……
「モヤシの物なんか、乗せてんじゃねぇよ」
モヤシの物……ってことは、アレンのゴーレムって事?
神田の手の中で、パタパタもがいているティムキャンピーをよく見る。
そう言えば前に、リナリーからアレンのゴーレムは金色だって、聞いたような気もする。
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