黒の教団 食堂での一時

□信頼してくれるあなた
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しばらくすると、聞き馴染みのある声がひとみを呼んだ。

「よーっす、ひとみ!昨日はバタバタしててすまんな」

『こんにちは、リーバー班長!私こそ忙しい時にお邪魔してすみませんでした』

挨拶もそこそこに昨日の事をお互い詫びる。そして自然と、新人エクソシストの話をし出した。

『昨日入団されたエクソシストの子はどうですか?』

「あぁ、アレンの事な。なかなか見所あると俺は思ってるよ!ただ、神田とすでに仲が悪くなったみたいなんだよなぁ……」

ジェリーから聞いた通りだ。やっぱり仲が悪くなっちゃったんだ……
神田は誰とも相性は良くないらしいから、しょうがないと言えばしょうがない。
でもみんなの仲が良いに越した事はないと思う。

『もう少し神田の愛想が良ければ違うんでしょうね〜』

「あのな、ひとみ。愛想の良い神田なんて気持ち悪くないか?」

『………大変失礼しました』

想像してみたが、別の生き物だった。
やっぱり神田は神田のままでいいみたいだ。

『あ、そのアレンさんでしたっけ?今日はどちらにいらっしゃるんですか??ぜひお話してみたいです』

リーバーにアレンの所在を聞いてみるが、返ってきたのは残念な答えだった。

「しばらくは無理だな。ついさっき神田と一緒に任務に就いてもらったからな〜」

『えっ?もう任務に行ったんですか!?』

衝撃だった。
普通適合者と分かったとしても、シンクロ率を上げたり、基本的な戦闘訓練を受けたりなど、やる事がたくさんあるのだ。
そして指導する元帥がOKを出さないと、実働にはならないハズなのだ。
ビックリして目を丸くしていると、リーバーが補足してくれた。

「アレンはクロス元帥の弟子で、ある程度の戦闘訓練はすでに受けてるんだよ。レベル1のAKUMAなら、まったく問題ないそうだ」

『な、なるほど。すごい子だったんですね!即戦力が増えてよかったですね!』

まぁな、と深い隈が刻まれた目をこする。やっぱり科学班って大変そうだなぁとしみじみ思ってしまう。
そこへ室長の手伝いをしていたリナリーがやってきた。

「こんにちは、ひとみ。Aセットもらえるかしら?」

『こんにちは、リナリー。Aセットね!あ、リーバー班長、Cセット出来ましたよ!』

「サンキューな」

リーバーはそのままテーブルの方へフラフラと足を運んでいった。

『リーバー班長もお疲れだね』

「科学班全体がね。兄さんもさっきまで机で居眠りしてたのよ!過去の映像を見るのに徹夜したらしくて……」

『過去の映像??』

教団の監視カメラの映像などだろうか?リナリーの言葉に疑問を持つ。
するとリナリーが口を開いた。

「うん。昨日入団した、アレン君の過去の映像みたいよ!クロス元帥と修行してたところとかを見てたみたいなの」

『へ〜そうなんだ!でもそんなのどうやって撮ってたの?』

「アレン君が連れてきた、クロス元帥のゴーレムの機能よ。ティムキャンピーって言って、金のゴーレムなの!」

金のゴーレム……エクソシストが普段使っているのは、コウモリみたいに黒いゴーレムのハズだ。なんか色々と規格外の特別なエクソシストみたい……

『金色のゴーレムなんだぁ!見てみたいなぁ』

「アレン君が帰ってきたら、見せてもらうといいよ!私からも言っておくわね」

リナリーがウィンクしながら、アレン君にお願いしてくれると言う。
リナリーってばなんて良い子なんでしょうか!

『ありがとう、リナリー!はい、Aセットもできたよ!』

「ありがとう、ひとみ。じゃぁまたね!」

お互い手を振る。リナリーはリーバーが座っている席に行くようだ。

さて、私も仕事を頑張るかと気合いを入れ直し、仕事に戻った。

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