Fallen Angel ―堕天使―

□第12話
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洪水のように押し寄せてくる気味の悪い幽霊のような怪物。奴らを何とか掻い潜ってセブンスヘブンの前にある広場へと辿り着いた。

そこでは銃を乱射しているバレットとジェシー。
確かにシェリーは……戦っていない。


「ジェシー、バレット!!」
「遅ぇぞ!!」
「ひっきりなしに来る……!もう限界……!!」
「今いく!」


ティファと二人で駆け出すと、地面から出てくる親玉のように大きな幽霊のような怪物。でも、それだけではなかった。


「……………………………シェリー?」
『………………』


ゆらゆら揺れながらバレットの横をするりと通り、こちらへと向かってくる。
だが……なんだか歩き方が変だ。自分の意思で歩いているとは思えないその様子にゾクッと寒気を覚えた。


「おい、シェリー!!」
「どうしちゃったの!?」


バレットとティファが声をかけるが無反応。
俺は何も言葉が出ず、ただその様子を見ているだけだった。一歩ずつ、一歩ずつ、俺に近づいてくる。


『"まだ、早い"』


俺のすぐ近くでそう呟くと同時にふわりと浮かび上がる体。まるで何かに支えられて浮かんでいるようだ。
案の定、彼女の背後には取り憑いたようにあの怪物がいる。背中から灰色の羽が生えているように見えてしまった。

その異様な姿は、まるで……





「……………堕天使……………」




俺がそう呟くと同時に、ヒュンヒュンと風を切る音。咄嗟にガードをしたが、吹っ飛ばされてしまった。


「ぐ………」
「クラウド!!シェリー、何してるの!?どうして!?」


体を起こし、真っ直ぐ前を見つめる。そこには鞭を構えるシェリーの姿。どうやら今俺が食らったのは彼女の一撃だったらしい。

今は地面に足を着けているが、さっきの様子も考えると恐らくシェリーはアイツらに操られている。
きっと自分の意思では戦っていない……


『"まだダメだ……まだ早い………運命の流れには、まだ、早い"』
「…………返せ」
『"まだ早い……"』
「関係ない……さっさとシェリーを返せ!!」


シェリーの後ろにいる親玉のような怪物に思いっきり斬りかかる。ズバッとした手応えを感じ、畳み掛けるように斬りつけていく。

その間もシェリーは鞭を振り回し、俺にダメージを与えてくる。ティファも怪物の相手をしていて自由には動けない。

くそ、圧倒的に不利だ……!





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