Fallen Angel ―堕天使―

□第11話
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「……古い友達がピンチらしくてな。そんな時は助けるって約束したんだ」


まさかのクラウドの答えに驚いた。
もしかしてあの時の約束、覚えていたの?すっかり忘れているものだと思っていた。
でも……


「あの頃に想像していたピンチって…こんなんじゃなかったな」
「話したいなら、聞くぞ」
「あれ……なんか、雰囲気変わった?」
「俺か?」
「柔らかく、なったような……」
「変か?」
「ううん、いい感じ。これならマリンも怖がらないと思う」


今日の昼間とは確実に雰囲気が変わった気がする。前はもっと、他人に興味がないって感じだった。でも今は、なんだろう……気遣ってくれているのがよく分かる。きっとこの数時間で何かあったんだなぁ……


「あはは……帰ってきたって分かったら、ホッとしちゃった。すっごい睡魔。色々話したいけど、今夜はもう眠った方がいいみたい」
「……あぁ」
「おやすみなさい」


部屋の扉を閉める直前「おやすみ、ティファ」と小さく聞こえてきた。本当に、変わったなぁ……
そう言えばシェリーもずっといなかったけど、ひょっとして一緒にいたのかな?そうだとすると、このクラウドの変化はシェリーのおかげ……かな。

なんだかそう思ったら嬉しくなってきちゃった。私の大切な幼馴染みが大切な妹みたいな子と出会って、いい方向に変わっていく。
何だか素敵な小説みたい。

自分の部屋の中へと戻ると、ふあぁ……と大きめの欠伸が出る。部屋着に着替えてベッドに潜り込めば、すぐに眠りへと落ちる事が出来た。






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