Fallen Angel ―堕天使―

□第10話
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途中でビッグスとジェシーの家の様子を見たが二人とも帰ってきている気配がなかった。一体どこまで流されてしまったのだろうか?

このまま居ても仕方ないので、まずはウェッジの家へと向かう事にした。ウェッジを送ったらその帰りにもう一度様子を見に行こう。


猫がたくさん集まっている奥まった場所。そこがウェッジの家のようだった。
一緒にいたシェリーが駆け寄り、三匹の三毛猫に声をかけている。


『ニャル、バニ、パス!』
にゃあ〜ん
彼女の伸ばした腕に頭を擦り寄せ、ゴロゴロと甘えているようだった。


「みんな、あいさつ〜。今日の門番はこの三兄弟」


ウェッジが三匹を抱えて俺の目の前に連れてくると、三匹とも俺の事をシャアアァァァ!と威嚇し始めた。
別に猫に好かれたい訳ではないが、ここまで威嚇される言われもない。


「じゃあな」
「見送りどうもッス」
「手当て、忘れるなよ」
「了解ッス!アニキ!」
「だからその呼び方、やめてく…」
ニャアァァァ!!


再び威嚇され、途中で言葉が止まる。
俺、何かしたか?


「こわくない、こわくない。アニキは優しいッスよ〜」


猫を宥めて地面に降ろす。
無事にウェッジを家まで送り届けたんだ。もういいだろう。


「好きにしろ」
「じゃ、おやすみなさい」


周りを見ると、シェリーが木箱の上で寝ている猫を撫でている。相変わらずな様子にふぅと息をつきつつ、声をかけた。


「シェリー、帰るぞ」
『あ……うん!』


声をかければ、すぐにこちらへと駆け寄ってくる様子に、何だかシェリー自身が猫みたいだと思わざるを得なかった。





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