Fallen Angel ―堕天使―

□第7話
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「ほらこっちだ。さっさとしろ」

こいつらもまだ町中で騒ぎは起こしたくないようで、俺達の事をイライラしながらも待っていたようだ。

奴らに連れて行かれたのは、先程ネズミ退治をした裏の方にある空き地。まぁ、確かにこいつらにとってはうってつけの場所だな。


「おい、男の居場所知ってるんだろうな?」
「二度も言わせるな。“どうだろう”」
「てめぇ、知らねえんだな!」
「神羅の末端か」
「神羅も一目置く方のアシスタントよ」
「だからどうした」


そのままお互い武器を構えて戦闘に入る。
シェリーも鞭を構え、四人まとめてなぎ払う。倒れた男の一人に思いっきり剣を振るった。


「ぐあっ!」
「くそ!なんだこの女!強ぇ!」


再びシェリーが鞭を振るう。すると今度は一人の男をぐるぐる巻きにして、そのまま別の男にぶつけてしまう。
なかなか豪快だ、俺も負けていられないな。


「ファイア!」
「ぐあぁ……あちぃ!!」


ファイアで怯んだところをすかさず斬りかかる。よし、これでこいつはしばらく起き上がれないだろう。
シェリーを見れば、彼女の足元には伸びた男が二人。まったく問題なかったようだ。


「右腕が銃の男の話だったか?」
「いや、その……」
「なぜ探っている」
「俺も命令されただけで、何にも知らねえんだ。だから、命だけは………」


そこまで話させてからトドメの一撃を入れ、全員を気絶させた。しかし素人とはいえ、四人ともなかなかの強さだった。それに最後に聞き出したあの台詞……

「神羅がバレットを………?いや、俺には関係ないな」

さて今日一日動き回っていたし、さすがに休むか…

「スラムの心得その1。部屋に戻るか…」
『待って』

シェリーが眉を下げて困ったような顔をしている。とりあえず不穏な奴らは凝らしめたんだし、そこまで切羽詰まる状況でもないと思うが…


「どうした」
『こいつら、バレット、殺す?』
「いや、きっとまだ探っているだけだ」


すると曇っていたシェリーの顔がホッとしたような安堵の表情へと変わる。彼女には助けられた恩があるらしいし、アバランチの事を誰よりも大事に思っているのだろう。


「戻るぞ」
『うん!』


俺たちはアパートへと向かって休む事となった。




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