Fallen Angel ―堕天使―

□第5話
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その後猫のたまり場へと向かい、無事最後の一匹を見つける事が出来た。
シェリーが二匹の猫を抱えながら(どうしてあんなに大人しくしているんだ?)ベティのいる遊び場へと戻ると、最初に逃げてしまった一匹はどこからともなく戻ってきていた。


………俺たちが探す必要あったのか?


ふと頭をそんな疑問が掠めるが、目の前にいる笑顔のベティとシェリーを見ていると、まぁこういう仕事もアリなのかと何となく思えた。





『バイバイ!』
「うん!シェリー、ありがと!」


ベティの元から離れ、俺はある場所へと向かう。先程色々とスラム内を回ったので大まかな地形はすでに把握出来ていた。


『クラウド、どこ行く?』
「ワイマーのところだ」


町中で困っている人達の依頼はほぼ片付いたので、何か依頼が来ていないか聞きに行くつもりだった。
すると突然シェリーがピタッと足を止める。
なんだ?と思い振り返ると、何かを考えているような顔つきをしていた。


「どうした?」
『…………ティファ』


ポツリと溢したのはティファの名前。きっとシェリーなりにティファの事を心配しているらしい。いや、今までの言動からいって心配しているのだ。
何となくシェリーの言いたい事が分かった。それならシェリーには彼女が気になるところへ行ってもらうのがいいだろう。


「あんたはティファの様子を見てくれ」
『え?』
「気になるんだろ?ティファの事が」


そう俺が言ってやれば、シェリーは目をパチパチと瞬かせる。まさか俺から言われるなんて思ってもいなかったのだろう。


『うん……ティファ、元気ない。私、嫌』
「あぁ。ティファの事を頼む」
『………うん!』


すると途端にシェリーは笑顔になり、ティファのいるセブンスヘブンへと向かって走って行った。
その後ろ姿を俺はらしくもなく見つめていた。そして自然に言葉が出てくる。

「本当に、妹が出来たみたいだ」

それに対して嫌な気持ちがないのが、とても不思議だった。




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