Fallen Angel ―堕天使―

□第3話
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「それならこの『みやぶる』なら使い易いかもしれない。試しにやってみるか?」
『……………』
「気が進まないなら、予定通り俺が装備してレポートすればいい」

すると、俺の手に乗る黄色く輝くマテリアをそっと手に取る。

『クラウド、言う、やってみる』

そう言って、シェリーは自身の鞭にマテリアを装備し始めた。その様子をティファは少し驚いて見つめている。


「どうしたんだ?」
「ううん……シェリーがあんなに嫌がってたマテリアを装備したのが信じられなくて……」
「そうなのか?」
「うん、それはもう」


困った顔をしながら苦笑いを溢しているところを見ると、相当のようだ。
でも目の前の彼女にはそんな様子は見られない。


「クラウドの事、相当気に入ったみたい」
「はぁ?」
「ふふ、とってもいい事なんだよ。あの子が会ったばかりの人にここまで懐くの、初めてだもの」


シェリーを見れば鞭に付いたマテリアを珍しそうに眺めている。
それならマテリアの扱いに慣れている俺がしっかり使い方を教えてやるべきか。


「またガレキ通りへ行こう。あそこなら教えながら戦える」


二人にそう促すと、頷いて付いてくる。
シェリーは少し嬉しそうにしながら、俺の後をくっついてきた。フェンスの中へと入り、モンスターがいないかキョロキョロ探す。


『クラウド、どうする?』
「シェリーはマテリアに集中するんだ。すまないがティファは援護してくれ」
「オッケー!シェリー、頑張ってね!」


ティファは笑顔で俺たちの前に出てくれる。ティファもなかなか強いので、とても頼りがいがある。
シェリーを見ると、少し難しい顔をしていた。


「いいか。慣れていない時はマテリアに直接触れるように武器を持つと効果的だ」
『……………こう?』
「そうだ。そして今回は敵の特性をみやぶる事だ。モンスターが出たら、しっかり見るんだ」
『見る……』
「クラウド!出たわよ!」


シェリーにマテリアの上手く使える方法を教えていると、ティファの声があがる。
いいタイミングだ。


「シェリー、そのままあのモンスターをしっかり見てみろ」
『うん……』


少し不安そうな返事をしながらも、その目はティファが相手をしているモンスターをしっかり見据えている。

すると、

「……これがあの敵のデータか」


シェリーが見ている敵のパラメーターが頭の中にデータとして入ってくる。恐らくティファにもこのデータは届いている筈だ。


『で、出来た?』
「あぁ、上出来だ」


思った事を言ってやれば、シェリーはとても嬉しそうに笑っていた。その屈託なく笑う姿に、頭をポンと軽く撫でてやる。


「さぁ俺たちも行くぞ!」
『うん!』


お互い武器を握り締め、一人戦っているティファの元へと駆けて行った。





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