Fallen Angel ―堕天使―

□第2話
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「じゃあさっそく働く?JSフィルターの交換に行きたいんだ。ジェシ―が作った汎用毒性物質除去フィルター!水の嫌な臭いが取れるって評判で、この店よりずっとお金になるんだよね。この辺りのほとんどのうちが使ってるから、新しいのを持っていって代金と古いフィルターを回収してくる、簡単なお仕事……………聞いてる?」


自分の不安を振り払うように集金の内容を説明すると、徐々にうんざりだと言わんばかりに軽く手を振られてしまった。失礼な態度ね。


「勘弁してくれ、揉め事がないなら俺の出番はない」
「踏み倒す気満々の人もいるんだ。ね?お守りがわり」


そうお願いするように頼めば、ため息をつきながらも重い腰を上げてくれる。何だかんだクラウドはやってくれるようだ。


「さっさと片付けるか」
「ありがとう。ついでにスラムを案内するね」


私の揺れ動く気持ちに蓋をして、まずはクラウドと一緒にフィルターの回収と集金へと向かう。






道具屋、天望荘の大家さん、武器屋からの回収を無事に終えるが、まだまだお店を開く時間までは余裕があった。このままお店に戻っても仕込みをするだけだし、それも先程ほとんど終わらせてしまった。

だいぶ気分転換はできたけど もう少し外にいたい私は、クラウドにある提案をしてみた。


「本格的に何でも屋を始めるなら、まずは縁を作るべきだと思う。ご縁はお金より大事だから」
「……スラムの心得、か」
「縁が仕事を呼んで、いい仕事をすれば評判が立って、それがまた縁を呼ぶの」


すると何でも屋としてやっていきたいクラウドは私の提案に乗ってくれた。どうすればいいのかと聞かれたので、まずは自警団を紹介する事になった。


武器屋の横にある階段を昇り、通称『初心者の館』へと向かう。ここでは自警団に所属しているビックス、ウェッジ、ジェシ―がいたりする。
そして、シェリーも。





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