Fallen Angel ―堕天使―

□第1話
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「クラウド、紹介するね。この子はシェリー。このお店の常連で、私たちの活動のサポートをしてくれてるの」
「サポート?」
「うん。物資の調達とかがメインだけどね」


なるほど、だからバレットが帰ってきて無事かどうか確かめたのか。
一人納得しているとそのシェリーという女は急にこちらへと顔を向け、つかつかと近づいてくる。鼻筋が通った綺麗な顔立ちをした彼女の目は……ターコイズブルーに輝いている。

そして鼻が触れるのではないかというくらい、ずいっと人の顔を覗き込んできた。


『ティファ、こいつ、誰?』
「この人はクラウド。今回の作戦に助っ人として参加したの」
『お前、が?私ダメ、なんで、こいつ!』


単語を組み合わせただけのような話し方だが、自分に対して怒りをぶつけられている事はよく分かる。
なんで自分を連れて行かずに俺を連れて行ったんだ、って事だろう。


「そいつは魔晄炉に詳しくて強ーいソルジャー様だからな!」
『私、戦える!』


バレットが俺を同行させた理由を話すと、俺からふいっと顔を背け、再びバレットの方へと向かう。どうやら今回連れて行ってくれなかった事に相当怒っているようだ。
そんな彼女に対して、バレットは頭を撫でながら話しかける。


「みんなで行っちまったら、七番街は誰が守るんだ?ティファ一人に任せんのか?」
『………………』
「シェリーは強いってみんな分かってるさ。だからお前はここにいて、ここを守って欲しいんだよ」
『………………』


「な?」と小さな子供に言い聞かせるような雰囲気に首を傾げる。するとバレットの説明が効いたのか、彼女は大人しく(というより凹んでいる?)コクッと頷いていた。


『わかった、ごめん……』


そう一言呟くと、出入口へと向かっていった。


「クラウド、私たちも外へ行こう?」
「…………あぁ」


彼女を追うように俺たちも店の外へと出ると、彼女は俺たちを待っているようだった。




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