ひらりと翻り
□第五夜 団服
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「仁美ー!」
『あ、リナリー!』
教団に来てから1週間。まだ顔見知りは少ない為、食事は基本1人。
だからこうやって誰かと一緒に食べれるのは嬉しくて仕方ない。
「修行お疲れ様!順調だって聞いてるわよ」
『うん、ありがとう!大変だけど、ティエドール元帥って教え方が上手いんだと思うよ』
席に着くと自分の修行について労ってくれる。こういうのも修行を頑張れる1つの要因だ。
私はカレーを食べながら、気になっていたことを聞いてみる。
『そう言えば、リナリーもエクソシストなんだってね!』
「えぇ、そうよ。任務がない時は兄さんの助手をしているの」
なんて兄想いの妹なんだ……ちょっと感動すらしてしまう。
これだけ可愛くて自分のことを慕ってくれるのだから、コムイ室長がメロメロになるのは当然だと思う。
思わず苦笑いをしてしまった。すると今度はリナリーが質問してきた。
「そう言えば、神田が突っかかってきたんですって?」
『ごほっ』
コムイ室長のヤツ、言ったな……
まぁあれだけ険悪な雰囲気を出していたんだから、しょうがないか。
『うん。まだ修行を始める前に、森の中でたまたま会ったんだ。その時に組み手ができるかどうか聞かれて、出来ないって答えたら「使えねー」って言われたの』
その時のことを思い出すとムカッとしてくる。本当になんであんなにストレートなんだ。
「そう…でもね、神田が新人に対してそのくらいで済むのは珍しいことなのよ?」
『……え?』
あれでマシな方だったの?
相当ムカついたんだけどなと思ってしまう。
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