ひらりと翻り
□第二夜 黒の教団へようこそ
2ページ/8ページ
――病室――
「じゃぁ仁美さん。私は他の病室に行きますから。もし食べれそうなら、おかゆも食べて下さいね」
『はい……ありがとうございます』
婦長にお礼を言うと、婦長は別の病室に向かって行った。
部屋の中で一人きりになる。
『……19世紀……』
確かに、部屋が古めかしい感じがしていた。
婦長の服も昔のナースの服のようだと思っていた。
それでも、まさか現実にタイムスリップなんて事が起こるなんて……
それに夢で汐莉が言っていた言葉をラビさんたちも話していた。
AKUMA。
どうやらあの丸い化け物がAKUMAと言うらしい………
そう言えば、私のピアスがAKUMAから私を護ってくれるとか言っていた。神様がいるというピアス。
私があの状況で助かり、タイムスリップしてしまった事と何か関係はあるのかな?
さっきは混乱して話せなかったから、次にコムイ室長たちが来たら、その話をしよう……
婦長が持ってきたミルク粥を食べながら、そう考えるのだった。
.