黒の教団 食堂での一時
□イライラするあなた
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「あ、コラ!ティム!」
食堂にちょっと怒ったような声が響く。声の主は最近入団した、アレン。
とっても大食いで、早食い。
いつもアレンの席には、お皿の壁が出来上がる程だ。
「僕のみたらしを食べないで下さいっ!」
あー、なるほど。大好物のみたらし団子を食べられちゃったのね。
てか食事命のアレンから大好物を奪うなんて、なかなかの勇者だ。
『(一体、ティムって何者?)』
すると、目の前にキラキラ光る物がスィ〜と飛んできた。
なんか無線ゴーレムみたいだけど、金色に輝いている。
私の目の前に飛んでくると、ゴーレムなのにニカッと笑った。
『(えぇ?無線ゴーレムって、こんなに表情豊かだったっけ………?)』
思わずそのゴーレムをじーーっと凝視してしまう。金色のゴーレムもこちらをじーーっと向いている。
「あら?ティムキャンピーじゃない!ひとみとにらめっこしてるの?」
横から声をかけてきたのはリナリーだ。このゴーレムの事を知ってるみたいで、『ティムキャンピー』と呼んでいる。
『リナリー!いやいや、にらめっこなんてしてないよ!』
「あら、そうだったの?」
『だって無線ゴーレムだよ?』
すると、リナリーは少し笑っている。
「ふふ、これは普通の無線ゴーレムじゃないよ。クロス元帥のティムキャンピーよ」
『??』
クロス元帥の物になると、何か違うのだろうか?
エクソシストや科学班勤務ではない為、その辺の事情はよく分からない。
するとリナリーの後ろから目付きの鋭い、あの方がやってきた。
「おい、リナ。後ろがつかえてるぞ」
「あ、神田!ごめん、ごめん!」
思わずドキッとしてしまう。
神田の事をこうやって意識し始めたのは、最近の事。
言葉には出さない彼の優しさを実感してからというもの、見る度にドキドキしてしまう。
さらりとした青みがかった黒髪。切れ長の目。整った顔つき。身長も高くスラッとしているが、服の下には鍛え上げられた体。
今まで何で気づかなかったのだろうか?
こんなにも目を引く要素がたくさんあるのに………
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