黒の教団 食堂での一時

□信頼してくれるあなた
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『おはようございまーす!』

「あら、オハヨー!」

おはようと挨拶はするが、現在の時刻はすでに
11:40。お昼前である。

今日の仕事は12:00からなので、この時間の出勤なのだ。
身支度を整え、厨房に行く。すると、とっっても上機嫌のジェリー料理長がいた。

「おはよう、ひとみ!ねぇ、聞いてよ〜!
今朝、ものすっごく可愛い新人さんが来たのよぉ〜!!」

『そうなんですか?料理長がそんなに顔をキラキラさせるなんて、よっぽど可愛い子なんですね!』

……ん?新人さん?可愛い??
それは、まさか昨日の……?
ひとみには思い当たる人物が一人だけいた。

『ジェリー料理長。それってひょっとして、白髪で左目のとこに赤い傷があ…』
「そぉよん!やだひとみも知ってるの〜!?」

『(テンション高っっ!)』

かぶせ気味で食いつかれ、ひとみは若干引き気味だ。
でも思い当たる人物は、やはり昨日の彼のようだ。

『い、いえ。私はちょっと見かけただけなんですよ。どんな子でしたか?』

「それが細っこい体をして、とんでもない大食漢よ!!」

『そんなに食べるんですか?』

「長く料理人をやってるけど、あの量は異常よ!!」

『(ジェリー料理長でさえ、驚愕する量ってどのくらいなんだろう……)』

何だかますます白髪の彼に興味が湧いて、会いたくなってきた。ジェリーがここまで気に入る人は、実はそんなにいないのだ。

「それはそうと大丈夫かしらね?初っぱなから神田と衝突してたのよ〜?」

『神田と衝突かぁ……彼なかなかの勇者ですね』

神田の考え方は正しいっちゃ正しいのだが、人としての思いやりや気遣いに欠ける部分がとても多い。
ファインダーの間では、同行するのを嫌がる人も少なくないという。
だから神田はいろんな人と度々問題を起こすのだ。

「でもなかなか礼儀正しい子よん?」

『へぇ、そうなんですね。それはちゃんと会ってお話してみたいですね』

白髪の男の子についてあれこれ話をしていると、注文口の方が徐々に混み始めていた。

『いらっしゃーい!』

お昼の忙しい時間帯になってしまった為、まずは仕事に専念する。
もしかしたら、運良くその子が来るかもしれないと思いつつ。

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