Fallen Angel ―堕天使―

□第10話
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『わー……すごーい!』


七番街プレートからスラムへまさかのパラシュートでの降下。ジェシーの帰る方法があまりにも突飛で驚いたが、電車も高速道路も使えない今は一番の方法だと思う。


『クラウド、キラキラ!』
「あぁ……そうだな」


俺の目の前できゃっきゃと楽しそうにしているシェリー。さっきまであんなに怖がっていたというのにこの変わりよう……
開いたパラシュートを操作しながら、はぁ…とため息をつく。


「ほら、平気だったろ?」
『うん。でも、怖かった……』
「今は?」
『今、楽しい!』


こちらを振り返りながら、ニコッと笑顔を見せる。まったくと思いつつも、この笑顔を見てしまえばその気持ちもどこかへと行ってしまうから不思議だった。



徐々に近づく七番街スラム。ここからは着地点を見定めてきちんと操作しなければいけない。下手にスラムのど真ん中に着地する訳にはいかないし、かといって遠くに着地してしまえば帰るのに時間がかかってしまう。

周りを見れば、ウェッジは上手いことガレキ通りに着地出来そうだ。俺たちもこのまま行けば、無事に到着出来るだろう。ただ、ジェシーとビッグスの姿が見えない。先程まで二人の声は聞こえていたんだが……もしかしたら、少し流されてしまったか?


そんな事を考えているうちに地面が近づいてくる。上手く足を地面に着け、少し走るようにして勢いに流されないようにした。


『着いた!』
「あぁ」


カチャカチャとパラシュートの装備を外して、シェリーと離れる。このパラシュートはどうしたものかと思っていたら、ウェッジから小さく丸めてそのまま破棄していいと言われる。確かに、ここはゴミもたくさん破棄されているし、問題ないようだ。


「オレ一人で帰れるッス。どうせ軽い火傷だし」
「いいから案内しろ」
「アニキ……」
「それはやめろ」
『アニキー』
「だから、やめろ」


再びはぁ…とため息をつく。
二人を見ればニコニコと笑顔のまま。きっと俺が嫌がる事も分かってて言ってるんだろうな。

「こっちッス!」

ウェッジの案内で、途中ジェシーとビッグスの家に寄ってから彼の家に行く事となった。






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