Fallen Angel ―堕天使―

□第8話
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夜の閑静な住宅街。人っ子一人歩いていない道路を歩いていると、遠くの方から猫の鳴き声が聞こえてくる。

ジェシー曰く、ここは七番街の社宅エリアらしい。つまりジェシーの親だけでなく、住民はみんな神羅で働いているという事。その佇まいからいい暮らしをしているのがよく分かる。



先導するジェシーに付いて行くと、途中でウェッジとシェリーが足を止めていた。
何をしているのかと思って見れば、その先には猫がいる。相変わらずだな。


『ここ、猫可愛い』
「確かに。スラムの猫と違って品があるッスね」


猫なんて同じようなものではないか?スラムで見かけた猫を思い出すが、二人が言う違いについてはよくわからなかった。

そのまま先に進むと、角でジェシーが立ち止まっている。そして見つめる先には一軒の家。
どうやらこの角にある家がジェシーの実家らしい。


「見て。たまーにしか帰って来ない娘のために、いつもああして灯りを点けている。ママは典型的ミッドガル住民」
「ピザ出るかな。ミッドガル・スペシャル」
「ジェシーのおふくろさん、どんな夜中に訪ねても、うまい飯作ってくれるんだよな」
「よく食べる人とお客が大好きだから」


どうやらビッグスとウェッジの二人は何度も訪ねた事があるらしい。ジェシーの母親の事を教えてくれる。玄関先に集まったところでジェシーが切り出した。


「じゃ行こうか。クラウド、例の件お願いね。とりあえず家の裏手で待ってて」
「あぁ、分かった」
「クラウドさんにもミッドガルスペシャル食べて欲しかったッス」
「あれっ?シェリー入らないの?」


ジェシーが扉を開けながら、シェリーを見ている。どうやらシェリーも一緒に家に入れるつもりだったようで、ジェシーは少し驚いていた。


『うん、クラウド、一緒にいる』
「本当に懐いてるな。クラウド何したんだ?」
「別に何も」
「ふふ、それじゃクラウドと一緒に待っててね」


ジェシー達は妙に笑顔になりながら、家の中へと消えて行った。
俺たちも裏手に回り、灯りが点くのを待つ事となった。





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