Fallen Angel ―堕天使―
□第3話
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ティファの案内で七番街の西端にある『ガレキ通り』へとやってきた。ここにモンスターが何匹かいるようなので、それを退治するのがビッグス達からの依頼だ。
岩と砂に覆われた荒廃した土地を、ジャリジャリと踏み締めながら進んでいく。一緒にいる二人をチラリと見ると二人とも緊張はしていないようだ。
少し進んで開けた場所に出ると、目的のモンスターがうろうろしている。バスターソードに手を掛けると、鞭を構えたシェリーがスッと前に進み出てきた。
『最初、私やる。クラウド、ティファ、とどめ』
……確かに効果的な戦い方だ。
中距離の鞭で何匹かまとめて攻撃した後、怯んだところを俺とティファが近距離で仕留める。こちらのダメージを最小限にまで抑える事が出来る方法だ。
俺とティファがコクリと頷くと、シェリーはさらに前に出て思いっきり鞭を振るう。
ビヒュッと風を切る音と共にモンスターの叫び声が響く。ひょっとして今の一撃で決定的なダメージを与えたのではないかと思うほど見事だった。
「ハッ!!」
「てやっ!!」
俺とティファでほとんど動けなくなったモンスターにトドメの一撃を加えたが、あまりにも呆気ないものであっという間に片付いてしまった。
『勝ち!』
笑顔で無邪気に喜ぶシェリー。その見た目や話し方とは対称的に戦闘はかなり出来るようだ。
「なかなかやるな」
『うん!クラウド、ティファも、強い』
「ふふ、ありがとう、シェリー」
そんな会話をしながら、再び奥へと進んでいく。ティファが言うにはまだまだ広い場所があるらしく、モンスターが居そうな場所があるそうだ。
だがこの調子ならあっという間に終わるだろう。そう思えるくらいシェリーは強く、そしてとても戦い易かったのだ。
どうやら戦闘の相性はいいようだ。
「さっさと終わらせよう」
『おー!』
気合いが入っているシェリーに、思わずふっと笑みが溢れてしまったのは秘密だ。
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