お姫様と天化の事情

□第6話 あなたの側に……
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『旦兄様……アレは一体、何なのでしょう?』






物凄い地響きがしたと思ったら、豊邑城壁に突如として現れたアレ。

とても不思議な形をしていて、鳥のような魚のような何とも言えない物です。




ただ一つ明らかなのは、周に害を及ぼすであろう存在という事です。




「恐らくアレが太公望が仰っていた、敵襲なのでしょう……」

『敵……発兄様を狙って来るという……?』

「ええ」



ではその敵が現れたのですから、発兄様ももちろん危ないという事になります。
太公望様が護衛を付けてくれたようですが、心配で心配で仕方ありません。



「!藍季!どこに行くのです!?」

『少しでも発兄様のお近くにいます!』

「ダメです!戻りなさい、藍季っ!!」



ほとんど旦兄様の事を無視し、走り出します。もちろん仙道の戦いで私に出来る事は何もありません。それでも発兄様が危ないと分かっているのに、隠れているだけなんてそれこそ出来ません!





発兄様がいる城へ向かい、走り続けます。
途中で、太公望様がスープーちゃんと一緒に豊邑城壁に向かって飛んでいくのが見えました。


それと同時に、太公望様を『お師匠様』と呼び慕っている武吉ちゃんが、ものすごいスピードで駆け抜けて行きました。



きっと、あのどデカイ化け物のところへ戦いに行くんですね……



彼らを見送り、戦いの無事を祈ります。
私はそれよりも発兄様のお側に行く事が第一です。



『皆様、どうかご無事で……!』




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