ひらりと翻り

□第十二夜 アレン・ウォーカー
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黒の教団から離れ、修行を始める事2ヶ月。
だいぶこの時代の生活にも慣れてきた今日この頃。
でもどうしても慣れない事はやっぱりあって、今日もその事のせいでとても憂鬱……


「さて、今日はここで野宿しようか」
『……………はい』


野宿って女にとっては困るものよね……
この時代でもホテルとかモーテルとかあるんだから、出来ればそちらに泊まりたい……

野宿をしようと言った私の師でもあるティエドール元帥をジロリと睨むが、完全にシカトされてしまった。
むしろその状況を楽しんでるように、鼻歌混じりで焚き火の準備をしている始末だ。
くそー……この人には敵わない事が多すぎて、悔しい思いばっかり。


「ほらひーちゃん。川で水を汲んでおいで」
『……はーい、行ってきます』


納得しないまま、近くの川に水を汲みに行く。この時代は川の汚染はそこまで進んでいないみたいで、一度沸騰させれば問題なく飲み水となるのだ。

空を見上げれば、そこには満天の星空。
すごいなぁ、こんなに綺麗に見えるなんて。私が生まれ育った東京では、決して見ることは出来ない景色だ。


あーぁ、暖かいベッドとシャワーが恋しい……


『………みんな、元気かなぁ……?』


この世界に来てしまった私を、暖かく受け入れてくれた人たち。あ、若干一名は違うかもしれないけど。
少しの時間しか過ごしていないのに、すでに私の心の中での存在は大きなものだった。




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