ひらりと翻り

□第八夜 買い物
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ようやく基礎トレーニングに慣れて、筋肉痛がなくなってきた頃………

私にとって、とても嬉しい連絡がきた。



それは、街への買い出し。



黒の教団に来てから、初めての外出なのだ。
どうやらコムイ室長が気を使ってくれたらしい。


「まずはこの買い物を頼むね。それが終わったら、後は自由にしていいよ!」


つまり頼んだ物さえ買えば、私も買い物ができるという事。

洋服とか生活用品とか、今は教団から支給された物しかない為、自分の物を買いに行けるのが嬉しくて仕方がない。


しかも!頼まれた買い物が大量なのと、まだ危ないので護衛も兼ねて、一人付き添いを付けてくれるのだという。


細かい気遣いをありがとうございますっ!


心の中で、コムイ室長にずっと感謝をしていた。

この時までは……………







「……………」

『……………』



コムイ室長おおぉぉぉ!!
なんでよりにもよって!ポニーテール男子が付き添いなんですかねぇ!?


待ち合わせの地下水路の船着き場で、思わず大絶叫しそうになってしまった。



コムイ室長は私が神田とあまり仲良くないって、知ってるハズなのにひどいよ……


「……ぉぃ」


ラビだったら買い物をしていない時でも、楽しくおしゃべりが出来たのに!
なんで、神田なの……


「おいっ!」

『へっ!?』


いきなり肩をガシッと掴まれた為、変な声を出してしまった。


『な、何?』

「さっきから呼んでんのに、気づかないからだろ」



しまった。
コムイ室長への恨み言で、頭がいっぱいになってたわ……


「さっさと船に乗れ。行くぞ」

『……はい……』



前途多難……

この言葉がとてもピッタリだと、心の中で呟きました……



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