ひらりと翻り

□第五夜 団服
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『いたたたた………』



あちこちに擦り傷や切り傷が出来ている。
こんなに傷を作ったのは、小さい頃自転車に乗る練習をした時以来ではないだろうか……


消毒液が滲みる為、思わず声を出してしまったのだ。



「はい、これで終わりよ!」



そう言って傷のある部分にガーゼを貼ってくれる。ようやく治療が終わった……



『ありがとうございます』



すると、医務室の奥から婦長がやってきた。


「仁美さん!目覚めてまだ1週間しか経っていないんだから、あんまり無茶しちゃダメですよ?」


どうやらかなり心配をかけてしまったようだ。


『はい。でも修行が始まったので、そうも言ってられなくて……』


なるべく心配をかけないように、笑いながら話す。すると婦長はため息をついて話す。


「それでもです!特にあなたは女性なんだから、気をつけて下さいね」

『…わかりました、ありがとうございます』


そう言いながら、医務室を後にする。

正直な話、これ以上傷なんか作りたくない。でもこの世界で生きていくには、エクソシストとして強くならなくてはならない。


その為にも修行は絶対だ。


それにリーバー班長から聞いたのだが、元帥の中にはもっと厳しい人もいるそうだ。
ティエドール元帥は優しい方だと言う。なのでまだマシだ言い聞かせながら、修行をしているのだ。






『夕飯でも食べようかな…』


お腹も空いたので、夕飯を食べに食堂へと向かう。ジェリー料理長のご飯は本当に美味しい。

それをご褒美と考えれば辛い修行も何とか我慢できる。


「アラ、仁美!今日は何にするの?」

『今日はカレーを下さい!』


疲れきっている時は、カレーを食べることが多い。たぶんさっと食べれるからなんだと思う。
アイスティーも頼んで、席へと向かう。


すると、席の中から自分を呼ぶ声がした。



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