ひらりと翻り

□第二夜 黒の教団へようこそ
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「あら?」


婦長がミルク粥を持って仁美の病室に戻ると、部屋から室長とラビが出てきた。


「室長。お話はもう終わられたんですか?」

「あぁ、婦長。今日のところはこれで終わっとくよ。仁美ちゃんはまだ目覚めたばかりだからね」

「そうですか、分かりました」



そう言って婦長は仁美の病室に入っていった。
それを見届けると、ラビに釘を指す。



「…ラビ。今さっき聞いた話は口外しないでくれ。もちろんブックマンにも」

「……分かったさ」



それだけ言うとすぐに科学班の研究室へと急ぐ。さっき仁美ちゃんから聞いた話が本当に有りうるのかどうか……


真っ先に調べなければならない。


するとラビが付いてくるではないか。
でも今回はあんまり興味本意で動いていい内容ではない。



「オレも手伝うさ、コムイ」

「…………ラビ」

「ブックマン後継者として、色んな文献は読んでるさ。手伝える事があるかもしんねぇからな」



どうやらラビは真剣なようだ。
一人で調べるより、二人で調べた方が断然いい。特に書物を調べるならラビは適任だ。


「……わかったよ」



そう言うと二人で研究室へと急ぐのだった。




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