お姫様と天化の事情

□第11話 修行って……
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するとどこからか、私の名を呼ぶ声が聞こえてきました。辺りを見回すと、一体の黄巾ロボが飛んでいるのが見えてきます。
お腹部分には大きく『道徳』の文字が見えます。


「おーい、藍季ーー!」


やっぱり天化様です!黄巾ロボから手を振ってくれているのが見えます。
最後にお会いしてからまだ三ヶ月くらいですが、何だかとても久しぶりな気がします。
魔家四将に負わされた怪我は、もう治ったのでしょうか?


『天化様、お久しぶりです!もうお怪我は治ったんですか?』
「んー、完治はしてねぇけど動けるさ」


とりあえず一安心しました。
手足の関節をズタズタにやられてしまった時は、生きているかどうか絶望してしまったくらいの重傷だったからです。
でもまだ完治はしていないなら、無理はしないで欲しいものです。


「ところで、修行は順調さ?」
『うーーん、どうなんでしょうか………』


今まさに修行について、揉めていたところです。私は素直に順調と言うことはちょっと出来ません。
すると近くにいた普賢師匠が、クスクス笑いながら天化様に話始めました。


「天化くん、修行は順調だよ。ただ藍季はちょっと納得してないけどね」
『わ、し、師匠!』


つい先程修行の内容について、何だかんだ反抗していた事をバラされてしまいました。
そんな事じゃダメだと天化様に怒られてしまうのでしょうか?


「ふーん……普賢真人サンは、藍季の戦いのスタイルがもう分かってるんさ?」
「もちろん。だからそれに合わせた修行なんだけどね?」
『うっ……そ、そんなお話初めて聞きました!』
「うん、初めて言ったよ」


………何だか悔しいです。普賢師匠に良いように転がされているような気がしてなりません。
私がムスッした顔をしていると、その様子を天化様がくすくす笑っていました。


「さすがの藍季も普賢真人サンには敵わないみたいさ!」
『天化様……笑い事ではないです……』


私の頭をポンポンと叩きながら、宥められます。でも師匠は私のスタイルに合わせて修行をしていると言ってましたが、本当にそうなのでしょうか?


『師匠……瞑想が私のスタイルに合った修行なのですか?』
「うん、そうだよ?宝貝の力を引き出すには功夫を積むのが一番だからね」
『そう、ですか………』




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