お姫様と天化の事情

□第1話 木に成る人
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「大丈夫だったさ?」
『はい、難儀していたところをありがとうございました』


仙道の皆様はどうにもボケタイプの方が多いのですが、この方は貴重なツッコミタイプの方です。私の事もきちんと気づかって下さいました。


「そいつはよかったさ!もうあんな高い木に登るんじゃないさ」
『気を付けます。天化様、ご助力ありがとうございました!』


ニッコリ笑ってお礼を言いましたが、目を丸くされてしまいました。


「俺っちの名前、何で知ってるさ?」
『さぁ、何ででしょうか?』
「変なヤツさ……」


すると少し離れたところから、私の事を探す声が聞こえてきました。天化様とお話出来る時間がなくなってしまったようです。


「藍季ー!ったくどこに行っちまったんだ!藍季ーーー!」
「藍季?」
『私の名です!どうやら探しに来てくださったみたいです』


私の名を呼びながら近づいてきたのは、私が敬愛してやまない兄様。


「あ、藍季っ!お前なにやってたんだよ!」
「お、王サマっ!?」
「あれ?天化じゃねーか!藍季と一緒にどうしたんだ?」



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