上級生の学年対抗実習!

□見える行動、見えない行動
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鉢屋三郎視点


「………って事があってさー」
「そうか……」


ハチの報告を受け、私は自分の考えが的を射ていた事を確信した。
やはり四年生は所属委員会の中で何かをする課題だ。下級生に何もないところを見ると、もしかしたらターゲットは委員長なのかもしれない。


「……四年生の課題は見えてきたな。ただ六年生がな……」
「あぁ、何も触れないなんて不気味だろ?」
「私たちに対しても何もして来ないしな……一体どんな課題を出されてるんだ?」
「さぁなぁ……俺にはサッパリだよ」


二人して腕組みをしながら、うーん……と唸ってしまう。元々六年生を調べるのは骨が折れる事は分かっていた。しかし、ここまで何もないと想像をする事すら出来ない。
それか、期限ギリギリになってから一気に行動を起こすつもりなのだろうか?そうすれば、他の学年に課題内容を知られるリスクは格段に少なくなる。


「……雷蔵には委員会での中在家先輩の様子をしっかり見て貰う必要があるな」
「そうだな。って、そういや勘右衛門はどうしてるんだよ?」
「溜め込んでたお菓子を一年にばら蒔いている」
「はぁ?あ、そういや三治郎と虎若も何か貰ったって言ってたな!」
「ま、アイツにはアイツの考えがあるんだろう」


周りから固めるって言ってたし、もしかしたら実習には関係のない一年生を味方につけるつもりなのかもしれない。
………アイツらが役に立つのかは別にして。


「さて、そうしたら六年生がいない内に一度集まって話すか」
「そうしようぜ!なんか一段落したら腹減ってきたなぁ、食堂に行かないか?」
「あぁ。日も傾いてきたしな」


とりあえずゆっくり食事をして、一度頭をリセットしよう。
そう思いながら歩いていくのだった。




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