お姫様と天化の事情

□第11話 修行って……
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そこは、高い高い岩山のてっぺん。
元々空に浮いている島の、さらに上の方にある場所なので、少しだけ空気が薄いです。

来たばっかりの時は、生活するだけでちょっと辛かったけれど、人というのはとても逞しく、次第に適応していけるのです。

そこで座禅を組み、瞑想をします。


『むぅ〜………………』
「ほら、変な言葉を発しないの」
『え、何か言ってましたか?』
「むぅ〜って言ってたよ?」


まったくもう、と普賢真人様にため息をつかれてしまいました。でも修行とは言え三ヶ月ずぅっと瞑想ばっかりで、少し飽きてしまうのもありました。

何か別の事をすれば、いい気分転換になるのですが……


「………他の修行?」
『はい、瞑想以外に何かあるなら、そちらをやってみたいなぁ、と思ってます』
「とは言ってもねぇ……」


あ、ちなみに私は普賢真人様のところで修行をする事になりました!
弟子の木タクさんが太公望様のところへ行く事が決まり、ちょうど他に教えている道士がいなかったから、という単純な理由です。

でも私自身、普賢師匠でよかったと思っています。道徳真君様のような戦士タイプや玉鼎真人様のような万能タイプの下についたら、修行についていけなかったと思うからです。


「んー…………」
『…………』
「zzz……」
『ちょっと!』

考えてる途中で寝ちゃうって、何ですか!まるで太公望様みたいです。

『師匠〜!もうちょっと真面目に聞いてください〜』
「何言ってるの、僕は真面目に聞いてるよ?でも今出来る修行といったら、瞑想と基礎トレーニング以外にはないんだよ」
『………そんなぁ……』

すると私の頭をポンポンと叩き、ニッコリと極上のスマイルで話しかけてくる。

「焦ってもいい結果は出ないよ。じっくりゆっくりいこう?」
『……….』

じっくり、ゆっくり………
もちろん普通の修行ならそれでいいのだと思います。でも今は戦争の真っ最中……
早く参加できるようになって、早くみなさんのお役に立ちたいのに……




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