TEXT/ドラゴンボール

□第3話
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受付に着くと、トランクスに出会った。

「あ、エースさん!今からパラレルクエストですか?」
「うん…溜めすぎて、さっき時の界王神様にこっぴどく叱られてきたところさ…当分の間は修行禁止だって」
「…俺も…手伝いましょうか?」
「いや、それには及ばないよ!
だって、その様子だとトランクス、君はパラレルクエストからさっき帰ってきたばかりだろ?
俺の自業自得だし、一人でやるから大丈夫。君は休んできなよ、それじゃ!」

言い終わるや否や、エースはトキトキ都を後にし、パラレルクエストの消化に向かった。

「…はい」

あまりの速さに、トランクスは彼が去って行った方向をただ見つめるばかりだった。


「お疲れー!トランクス!」
「お疲れ様です、時の界王神様」
「ドミグラがいなくなってから、本当に平和で助かるわ」
「ええ、そうですね」
「ワームホールの歴史改変はちょくちょく起こるけど」
「ええ、そうですね」
「そろそろトキトキ都だけじゃキツくなってきたし」
「ええ、そう…」
「ちょっとは人の話を聞きなさいよーっ!」
「ええ、そ…ええっ!?」

時の界王神の怒鳴り声が、時の巣中に響く。
近くにいたトランクスは、しばらく耳鳴りのせいで何も聞こえなかった。

「何か悩み事でもあるの?そんなにぼーっとして。らしくないわよ、トランクス」
「……その…しばらく、母に会えていないので。少し心配で…」
「そういえば、あなたがここに来てから一度も帰ってないわね」

それはもうブラック企業と同じでは、とトランクスは考えたが、口には出さなかった。
一連の歴史改変は、それほどまでに苛烈を極めた闘いだったからだ。
ちょうど、ラディッツ襲来の歴史修正からドミグラとの最終決戦まで、エースたちは働きづめであった。

「そうだわ!いいこと考えた!」
「な、なんですか?その、いいことって…」

突然、時の界王神は手をポンと叩いた。
そして、トランクスに微笑みかける。

また時の界王神が労いの手料理を振る舞うのか?
それだけは、勘弁して欲しかった。
彼女の料理は、殺人級の腕前を誇る。
それは、あの破壊神ですら全力で拒否するほどの不味さだ。
自分の体にも染みついている恐怖は、ある意味、ドミグラよりも恐ろしいかもしれない。

しかし、時の界王神の考えていることは、トランクスの予想の斜め上を行っていた。
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