TEXT/ドラゴンボール

□第6話
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「…まだ、たったの30個……はぁ」

歴史の修正には、世界の「修正力」というものが働く。
修正力とは、辻褄の合わない歴史を無理やり繋げ、正常に戻そうとする星の力である。
その規模が大きれば大きいほど、数多くの矛盾、すなわち小さなほころびが生まれる。
そのほころびを解決するのが、パラレルクエストだ。
総数は、ドミグラ関連のものですら50を越える。
加えて、突発的なワームホールが作り出すものを含めると、もう数え切れるものではない。
それら全てを放置していたのだから、30個ではまだ半分もこなせていないのだ。

「フリーザとセルが同時に復活とかアリかよ…まあ、なんとか倒せたけど」

ゲートに向かいつつ、思わず愚痴がこぼれ出てしまう。
当然、休暇で帰ったトランクスの代わりにサポートしている時の界王神に声は筒抜けである。

『全部あなたが放っておいたからでしょー。ほら、さっさと次の場所に向かってちょうだい』
「了解です…はぁ…。……ん?」

二度目のため息をつきながらゲートをくぐろうとしたその時。
スカウターが反応しないほど小さな気の出現を感じ取り足を止める。
まるで、孫悟空が使う瞬間移動のような現れ方に、エースは無意識に気の感じる方角を警戒していた。

『どうしたの?何か気になることでも?』
「スカウターが検知できないくらいの微弱な気を感じました。
乱入者かな…でも、あまりに小さすぎる。死にかけみたいだ」
『そんなに小さいなら、ちょっと強い程度の一般人じゃないの?』
「いえ…そんなのじゃないんです。なんかこう、フッと現れたんです。
まるで、瞬間移動みたいな…」
『…念のため確認してきて。
もしかすると、重傷を負ったパトロール隊員かもしれないわ』
「分かりました」

そう言うや否や、エースは全速力で飛んで行った。
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