TEXT/ドラゴンボール
□第4話
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夢を見ていた。
彼の場合、それは予知夢だったのかもしれない。
…………
誰かが、暗闇に向かって必死に手を伸ばしている。
いや、違う。
誰かじゃない。
あれは、俺だ。
俺が、何かを掴もうとしている。
闇は大きくうねっている。
まるで、津波みたいだ。
その中に、俺ではない誰かがいるのが見えた。
ソイツも手を伸ばしていた。
闇に飲み込まれまいと、足掻いている。
突如、足掻いている方の手から光が飛び出した。
光はまっすぐ、確実に、俺の方へ向かっている。
闇がその後を追いかけているが、光のほうが速かった。
光は俺の目の前で爆ぜ、俺の視界はホワイトアウトした。
…………
夢の記憶は、ここで途切れている。