自由の翼(死の秘宝

□みちしるべF
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「何、何なの貴方!? またオリキャラなんてやめてよ!
何でここの世界は、ハリー・ポッターにいないキャラばかりが出て来るの!?」
「君が何を言っているか分からないが、少女を話す気はないのかね?」
綺礼は防御姿勢すら取らず、かと言って無防備で彼女達に歩み寄る。
ユイはハラハラとそんな状況を見守るしかなかった。
杖は部屋に置いてきたからだ。
夢子は綺礼にナイフを向けた。
それでも綺礼は臆する事はない。
「本当はあまり皆の前で使うなとは言われているが」
「な、何よ、手なんか突き出して!」
綺礼は左手の平を、夢子に向けた。
そして眩い光が放ち、その光がとある花を形作る。
それは桜に見えた。
一瞬の事で何より眩しさに目を瞑っているので、判断が付かない。
やがて光が収まり、ユイは恐る恐る目を開けた。
夢子は何が起こったのか分からずに立ち尽くし、そして綺礼の隣には……。
「クリスタ!」
「先生!」
綺礼の隣にはクリスタがいた。
いつの間に救出したのか。
クリスタがユイに駆け寄って来る。
彼女を抱き締めて宥め、一緒に来ていたナギにクリスタを預けた。
ナギとクリスタが建物に入ったのを見届け、彼女は綺礼に先程の事を問い掛ける。
「さっきのは一体?」
「分からないかね、魔術だ。
魔術で花の光を出し、目を眩ませている間に、あの少女を救出したのだ」
ちらっと綺礼は、スネイプに介抱されている夢子を見ながら言った。
「綺礼は神父でありながら、魔術師でもあるんです。
奇跡のみを信じる教会内部では、似非神父とも言われていて」
「えっと、もしかして綺礼さんの属する教会って、かなり規模が大きいの?
神父で魔術を扱えるって、相当」
カレンの説明に困惑しながらも、ユイは思い付く限りのことを口にした。
「綺礼は魔術協会に属していますから……はい、かなり規模が大きいですね。
冬木市の教会では」
「待って待って! ハリー・ポッターの用語より難しい言葉ばかり羅列しないで!?
一言一句、詳しい説明を! 求めます!!」
ヤケクソ気味にユイは叫んだ。


(了)
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