自由の翼(死の秘宝

□みちしるべF
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「夢子、貴女何してるの!?」
孤児院にある庭で、夢子はクリスタの頬に刃物を突きつけていた。
夢子の姿はアズカバンにいた時よりも身なりは整っているが、髪がほつれており目は微かに充血している。
クリスタは目に涙を浮かべて、ユイ達を見ていた。
夢子は掠れの残る声で言い募る。
「おかしいのよ……貴女が私をアズカバンから出して、おまけにスネイプに引き取られるなんて。
スネイプと暮らすに当たって、段々疑惑が浮上して来たのよ。
貴女は私に幸せを噛み締めさせて、後からどん底に突き落とすんじゃないかって」
どうやら夢子は、長年アズカバンにいた所為で、疑心暗鬼に陥っているらしかった。
今まで敵対していたユイに、好条件でアズカバンから出されたとなると無理はないが……。
「どうするの?」
「えっ」
クリスタと夢子に目を向けていると、ユイの隣に黙って状況を見ていたカレンに問い掛けられる。
何故この状況でそう聞かれたかは分からないが……。
「どうするって、助けるしかないじゃない」
「……本心なんだ」
ポツリと呟いたカレンの声は突如、バシュッという音に遮られる。
姿現しで現場にやって来た、スネイプだった。
スネイプは事のあらましを見て、驚きに目を丸くする。
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