自由の翼(死の秘宝

□みちしるべC
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ロックハートと再会し、孤児院に戻り雑務に専念している時、1人の少女がユイに近付いて来た。
「先生」
「あら、クリスタ。どうしたの?」
クリスタは、まだ8歳の少女だ。
歳の割にしっかりしていてかなり面倒見の良いと言う、孤児院の中でも評判だ。
「先生、何か変わったね」
「そう? いつも通りだと思うけど」
「ううん、変わった。前の先生、なんだか笑顔だけど曇ったところもあったもん。
ナギもそう言っていたし」
子供の感は鋭いものだ。
おまけにナギにも気付かれていたなんて。
ロックハートと再会する前の彼女は、ホグワーツでの戦いを引きずっており、念願の孤児院を運営しても心は暗いままだった。
だが、ロックハートに元気付けられ、前に進んでもいいんだと確信出来た。
まさか、夢小説での定番のスネイプやダンブルドアでもなく、ましてやハリーでもなくて、サブキャラでも何でもないロックハートに元気付けられるとは……。
ユイはクリスタに微笑んで「ありがとう」と礼を言う。
「ありがとう、クリスタ。でも、もう大丈夫だから」
「本当?」
「うん。あれ、ナギ?」
クリスタの背後から、ナギが駆け寄って来るのが見えた。
「ユイ」
「どうしたの、ナギ」
「その……今アズカバンにいる、夢子って子が、貴女に会いたいって電報が来て」
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