ただ君と
□召喚
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ダイアゴン横丁から帰って来たユイは、早速呪文集を読んだのだが。
「分からない。
どうやっても反応しないんだけど」
与えられた部屋でユイは、机の上に呪文集を広げて杖片手に、魔法を行使しようとしていた。
しかし記されている呪文を唱え、本通りに杖を振っても全く反応しない。
イメージが足りないのかと成功した場面を想像しながら杖を振るも、結果は変わらず。
「あー、挫けそう!」
椅子の背もたれに背を預け、グーッと伸びをする。
かれこれ1時間以上も、本と睨めっこしていたのだ。
背中がバキバキと嫌な音を立てる。
さっき会ったあのナズナと言う子は、もう魔法を使えているのかなと、彼女は思った。
自分よりこの世界に詳しいのだ、使えて当然かもしれない。
もしかして、この世界に詳しくなれば使えるとか?