アズカバンの囚人

□第8話
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ハロウィーンの前日、グリフィンドール談話室ではホグズミード行きの話題が尽きなかった。
「ホグズミード、僕も行きたかったな……」
ハリーがしょんぼりしながら言った。
「そういえばハリー、貴方ご両親から……」
ユイの言葉に、ハリーは頷いた。
「ホグズミードで何かをやらかす程ブラックは、馬鹿じゃない。
ハリー、マグゴナガル先生に聞いてみなよ」
「ロン! ハリーは学校内にいなきゃ行けないのよ」
ハーマイオニーの言葉に、ロンはだって……と言った。
「残すなんて出来ないよ」
「僕、マグゴナガル先生に聞いてみる」


変身術の授業が終わり、マグゴナガル先生が言った。
「皆さんは私の寮の生徒ですから、ホグズミード行きの許可証をハロウィーンまでに出しなさい。
許可証がなければ、ホグズミードはなしです!」
「あの先生……」
ハリーがおずおずと切り出した。
「僕の両親が、許可証にサインを忘れちゃって……。
つまりあの−−構わないでしょうか−−僕がホグズミードに行っても」
「ポッター、先程言った通り、許可証にはご両親のサインが必要です。
残念ですが……」


変身術の教室から出て来たハリーは、やはり駄目だったのか落ち込んでいた。
「ハニーデュークスで甘い物を沢山買って来てあげるわ」
「それに、ハロウィーンの日だからきっと豪勢な食事が出るんだろ?
そっちの方が楽しそうじゃないか」
ハーマイオニーとロンがハリーを慰めあっていた。
対するユイは、これ以上慰めの言葉を掛けても落ち込ませるだけと分かっていたので、黙っていた。
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